日本もけっこうイイ映画作ってるじゃん。でしょ?
って言いたかったんだと思うんですけどね。
僕はコピーライターなので、できるだけ好意的に解釈しますが。
先日閉幕した、東京国際映画祭のコピーが物議を醸した、と
Webニュースに取り上げられていました。
件のコピーはこちら
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ニッポンは、
世界中から尊敬されている
映画監督の出身国だった。
お忘れなく。
Lest we forget; our nation
gave birth to some of the world’s
most respected directors.
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これを見ると、本来なら「映画」あるいは「映画祭」が主役になるはずなのに、それが「日本」にすり替わっちゃってますよね。
さらに、最後のワンフレーズが上から目線なので、違和感に拍車をかけることに。
ただ、コピーが主張する内容を印象づけるために、こうしたワンフレーズをわざわざ加えることは、別に悪いことじゃないと思うんです。ただ今回は、最初の3行で醸成されたネガティブな印象が、ラストフレーズでさらに増幅されてしまったことは否めませんが。
「商品」を売るのが、コピーというか広告の目的。今回は東京国際映画祭の開催の告知やその来場を促進するような広告が目的のはず。なのに、それが日本という国や、この国の映画に関する業績が主題になってしまっている。そこが、物議の発火点ですね。
ただ、広告には発注元としてクライアントがいて、制作物にはその意向が反映されます。
この映画祭の主催は、財団法人日本映像国際振興協会。共催として経済産業省、東京都が名を連ねています。
ここからは僕の妄想ですが。
『みんな!映画見ようぜ』『東京で世界を見る』みたいなコピーだったんじゃないかと、当初は。だけど、
「映画っていうとハリウッドとか韓国とか、最近はインドもすごいよね」
「そういえば、映画って追加以外の作品に目が行っちゃうよね。J-POPみたいに、日本作品のプレゼンスを高められませんか」
「日本だって、有名な作品や監督、いっぱい出ますよね。アニメみたいに映画もニッポンブランドを売り込めませんか」
「そうそう、わが国は“クールジャパン”を推進してわけだし、映画国ニッポン、みたいな打ち出し方できませんか」
なんてやり取りがあって、そうこうするうちに、あのコピーに辿り着いたのではないか、と・・・
※画像はhttp://www.j-cast.com/2014/10/28219480.html?p=allより