新しいVAIOを見て、いまはなきKUROを思い出した

image

ソニーに切り捨てられた『VAIO』の初PC“Z”、本当の評価

この記事を読んで、「KURO」を思い出した。2007年にパイオニアが売り出したプラズマハイビジョンテレビだ。

KUROは、Wikipediaのこのページにもあるように、パイオニアが社運をかけて開発・発売した当時としては画期的な高画質のプラズマテレビだった。実際、店頭でその画質を見て、あまりにもキレイで自然な感じだったので、つい買ってしまったほど!!

液晶にありがちなジラジラとした動画のいやな感じが全くなく(プラズマなので当たり前だけど)、動きの速いスポーツ番組などもくっきりと見られる。音響メーカーの製品らしく、実は音がとても聞きやすくて鮮明で、ホラー映画などは映像と音の相乗効果で、ビックリ・ビビりまくり!

各部の作りや全体的なデザインも、当時の他社よりかなり抜きん出た存在で、クオリティ高かったし。

当時最先端の技術やら素材やら魂やら情熱やらをか注ぎ込んで作られたおかげで、かなり高価(50インチで50万円!液晶だったらその半額でも買えた)だった。だけど、買ってから8年たったいまでもけっこう満足して楽しんでいる。買ってよかった、って今でも思ってる。

そんなKUROがあるせいか、VAIOがダブって見えるんだ。

日本の、こだわりのモノづくり、
最先端の技術や品質、
すみずみまで徹底した作り込み、
最先端、高級化、あこがれ、
ごく一握りの人のための「ホンモノ」、

キーワードを並べると、ざっとこんな感じだろうか。
KUROにも、VAIOにも共通していると思う。

ちなみにKUROは、上に並べたキーワードを包含するようなマーケットを作ろうとしたけど、結局できず。さらに2008年のリーマンショックでパイオニアはプラズマ事業から撤退。エンジニアたちはパナソニックに移って技術開発を続けたけれど、その後はみんなの知るとおり。

その理由を考えると、次のようなキーワードが並べられるんじゃないだろうか。

コモディティ化、
性能よりプライス、
ハッキリした数値でないとユーザーから歓迎されない商品特長、
感性評価は受け入れてくれない、
技術的な競争力より、価格競争力、
海外メーカーとのコスト戦争、
一貫生産より、アッセンブル生産、

 ・
 ・
 ・

要は、途上国のメーカーでもアッセンブルで
簡単に低コストに作れるようになったジャンルの製品に、
いくらメイドインジャパンの技術やらこだわりをつぎ込んでも、
もはやマーケットは価値を認めてくれないんじゃないか。
そういう時代になっちゃったんじゃないの? と思うんだけど。

数年前、パイオニアがKUROで経験した領域に、いまVAIOが踏み込んでいく。そんな、僕にはデジャブな光景に見えるんだ。

※画像はhttp://www.gizmodo.jp/2009/05/kuro7.htmlより

当選してバンザイする人は信用できないな、と思う理由。

バンザイするほど嬉しいって、何が?
っていつも思いながら見てるんだけど。

いや、選挙で当選発表の光景として。今日も、台東区長選のニュースで流れてた。

ちなみに、バンザイの意味を調べると、
(以下引用)
1 祝いや喜びの気持ちを込めてを唱えること。多く、威勢よく両手を上げる動作を伴う。また、その動作のこともいう。「―を三唱する」「―の姿勢」
2 めでたいこと。うれしいこと。「これが成功すれば―だ」
(引用以上)

選挙に立候補する、ということは世の中の役に立ちたい、とか、社会のココを何とかしたい、とか思ってのことじゃないのか。

で、当選したということは、そういった立候補の「思い」に対して、
有権者が「頼むぞ」という意思表示をしたということじゃないのか。

なので、僕だったらバンザイどころじゃない。
これからやること、やらなければいけないこと、有権者との約束を果たさなければいけない、とかとか、いろいろスタートするわけで、そういうことを考えると、
バンザイなんかしてる場合じゃない、と思うんだが。

バンザイしてる人たちを見てると、何か無邪気によろこんじゃって。
ダルマの、2つめの「目」を入れちゃったり。
それって、願いかがかなって、もう終了!の儀式じゃないの?
当選して終わり、なのか!?

なんだか、以前からの儀式を何の疑いもなく踏襲してる感じ。

そういえばウィキペディアにもこんなことが。
(以下引用)
慣例として、衆議院解散時に議長より詔書が読み上げられ、解散が宣言されたとき、その瞬間失職した衆議院議員たちが「万歳!」と三唱する。この慣例の経緯は明らかではないが、衆議院議員たちが選挙戦に「突撃」してゆく気概を表しているとも、国事行為として衆議院を解散する天皇に対しての敬意とも言われている。また、万歳三唱をすると次の選挙で落ちないというジンクスもあるといわれる。ただ「失職するのに何が万歳なんだ」といって万歳三唱をしない議員もいる。
(引用以上)

行政改革とか農政改革とか労働改革とか、とか、とかいろいろ言われているけど、何の考えなしに前例踏襲してる人たちに、改革、つまり
「現状の課題を抽出し」「適正化する」「変える」「新しいアイデアを出す」ということができるんだろうか。

まあ、人がどんな風に喜ぼうが、勝手だけど。でも、仮にも政治家、公人になったわけだからね。気になる。

当選して、「センセイ」って呼ばれるようになって、公費が使えたり、企業からの献金とか、まったくウハウハだぜ、バンザーイ!!なんて思ってないよね!?

※画像は「選挙 当選」でGoogle検索したときの画像の表示

ぶれてない企業が、今は良いのかな。

image

ファミレスがロードサイドすべてにできちゃったら、次はどうなるの?

昔、ファミレスが急激に店舗拡大していた頃、マーケティング担当の人に質問したことがあります。
北は北海道から南は沖縄まで、ロードサイドにくまなくファミレスが建ち並びそうな勢いで、そうなったら次の成長の基盤をどこに見出すのか、という素朴な疑問が湧いたのです。

でも、そうなる前に中食化や低価格化などでファミレスという業態が地盤沈下していったわけですが。「フルロード・ファミレス」にならなくてよかった?

それはさておき、マクドナルドが迷走しています。こんな人も心配しています。
これまでは冒頭のファミレス業界同様、拡大一途を続けてきました。街を歩くと、いつでもどこでも、あの看板を目にしていたような気がします。「マックス・マック」のような状態でした。

でもどこかの時点でシュリンクが始まったようです。
このシュリンクには最近、いろんな既視感があって。

居酒屋のワタミとか、
すき家のゼンショーとか、
ケータイのドコモとか、
LCCのスカイマークとか、とか、とか・・・

一時期、新しいビジネスモデル、みたいにもてはやされるけど、
ある時点から、手のひらを返されるように、オワコン扱いされてしまう。

いままでも、そんな事例は色々あった気がするけど、10年、20年のスパンだったような。
それが、5年、3年くらい、どんどん短くなってきているような気がする。

多分、時代に吹く“風”が、ころころ変わっているせいだと思う。
その風向きに合わせてリアルタイムに変われる企業が、きっと「強い」。だけど、風向きが変わった瞬間にその強みが、弱味に瞬時に変わってしまう。
ころころ変わる風向きに翻弄されて、なかなか前に進めない帆船のような。

そんな風見鶏経営ではなく、いまは「本業」をしっかり構築して、それを軸にビジネスを展開している会社が強いと思う。芯がぶれてない企業、というか。

代表的なのは、やはりApple。
ズーム・ズームのマツダや、四輪駆動や安全技術のスバルなども同様じゃないかな。

そういえばこの3つの企業、一度どん底に落ち込んで、まさに地獄の底から這い上がってきたような会社ですね。

とはいえ、またヘンな風が吹いたらどうなるか分からないけど。

画像はhttp://jp.reuters.com/article/wtDomesticNews/idJPKBN0L90K720150205より

土曜の夜、久々にテレビが楽しかったので、エントリを書いた(笑)

image

久々にテレビが楽しかった! 

2月14日放送のTBS「炎の体育会TV」。「サプライズ」のサブテーマの通り、スポーツ選手に嬉しいビックリ!をプレゼントする企画。

競技会で良い成績を収めている青山学院大学、女子陸上部に、憧れの小栗旬がサプライズ対面、

今年の箱根駅伝で優勝した同じく青学の選手には、ドラマでファンになった筧美和子がドッキリ、

高校生のフィンスイマーとして注目の藤巻紗月選手に、ファンキー加藤がライブで応援、

なでしこジャパンの新エース、川澄奈穂美選手には、大横綱白鵬がぶつかり稽古!?という4本立て。

これまでドッキリというと、寝起きやトラブルなどを仕込まれて、ハラハラ・ドキドキを楽しむような企画だった。でもそれが行きすぎて、ともすればイジメみたいな絵づくりになっていたので、ハッキリ言ってつまらなくなっていた。

それが今回は、ポジティブなドッキリ。スポーツ選手の憧れの人とか心の支えにしている人が、突然目の前に現れてドッキリ!それだけでなく、目の前でパフォーマンスしてくれて、さらに感動!!という構成。

小栗旬にドッキリ、ぎゃーぎゃー騒ぎまくったあと、壁どんされてメロメロになってしまう青学の女子スプリンターたち。そのビビッドな反応などは、見ているこっちが恥ずかしくなってしまうほど。

その他のコーナーもおかしかったり、楽しかったり、ホロッときたり。ポジティブなテーマと構成なので、見ている方も楽しく、家族と愉快なひとときが過ごせました。土曜日のゴールデンタイムは、やっぱりこういう過ごし方もいいよね。

特に有名な人や、高額ギャラの役者も出てなかったので、制作費はそれほどかからなかったはず。企画しだいで、まだまだ家族全員で楽しめる番組作れるじゃん、と思ったのでした。仕込みとかは大変そうだけどね。

ただ、相変わらずヒナ壇芸人を配置してたけど、コーナー自体が充分に楽しめたので、別にあれはなくても良かったかな。

※画像はhttp://www.tbs.co.jp/taiikukaitv/より

最近のテレビって、さぁ!

image

これじゃ、ネットのまとめサイトみたいだよね。っていうテレビ番組が増えてる気がする。

YouTubeの動画を持ってきて、それをヒナ壇芸人がみんなで見て、あれこれ言い合う。その他にも、ネットで拾ってきた情報をあれこれ検証したり。最悪なのは、すでにPCで見ていてオチまで知ってるパターン。なーんにも面白くないので、チャンネルを回すことになる。

手軽に作れて、そこそこの「数字」が取れそうなので、つい作っちゃう、という図式は分かるけど。

情報メディアとしても、ちょっとどうか。

先日の人質テロ、発覚したときは何しろ情報がなかった。中東という、いつもは視野の外の地域の問題。「イスラム国」だなんていままでにないテロ集団、イスラム教という巨大宗教、西欧との対立、文化の溝、複雑な歴史、、、あまりにも知らないことばかりだったので、とにかく情報が欲しいと思った。

それなのにテレビや新聞は、一様に同じような内容を繰り返し報道するのみ。各社とも、把握してる情報の内容や深さは同じ感じだった。であるならば、専門家を独自のルートで引っ張ってきて情報やコメントをもらう。そこにこそマスコミの役割があるはずなんだけど、それもほとんどなく。

専門外のコメンテーターや論説委員などは「こうなったのも安倍首相のせい」などと、ヤケクソみたいなノイズを振りまく始末。

事件の正確な情報をとってきて、それを流す。情報機関が本来やるべき仕事が成されていない。

で、頼りになるのは結局、ネットなわけで。

東大の池内准教授のブログやFacebookへの書き込みなどは、情報がほしい僕にとってはその内容や質ともにとても役立った。極端な話、知識を持った専門家が、こうしてネットで情報を流してくれることで、情報の収集は成り立ってしまう。どの局も同じ内容で、ときにバイアスのかかった情報を流すテレビと付き合うのは、時間のムダじゃないか。そんなふうにも思ってしまった。

面白くない、楽しくない、タイムリーじゃない、正確じゃない。

民放の地上波なんて、スポンサーからもらった時間枠を、なんとか埋めるような番組ばかり。

こういう仕事をしているので、テレビはいらない、とは思わないけど。

スポンサーの顔色を気にしてばかりではなく、もう少し、視聴者や社会と向き合ってくれてもいいんじゃないか、と思う。

※画像はhttp://www.bbc.com/news/world-middle-east-31411284より

朝日新聞、部数減がものすごい?

image

「給料が11万円下がった! これでは生活できないので、この仕事はやめて、別の仕事をやることにした」

と、朝日新聞の販売員、つまり配達の人がウチに来て言ってました。先週のことです。

理由なく給料が下がることはないので、去年からの誤報騒ぎに端を発した解約と、それによる販売店の売上減から賃金カットが起こっているのでは、と。それも11万円も下がるということは、どれだけ部数が減っているんだ? 

そんな販売現場の混乱を尻目に、朝日の本体、というか記事の作り方はあんまり変わってないようで。福島原発、吉田証言の歪曲記事問題で発言してきた門田さんも、こんなふうにブログに否定的に書いてたりします。

先のISILの人質テロ問題でも、状況の解説もそこそこに、安倍首相を批判し、敵に迎合するかのようなトンチンカンなことを言ってるのは、主に朝日系の人に多かった気がするし。 

三つ子の魂百まで、という感じかな。 

事実を伝えるニュース報道よりも、まず自分たちの「立ち位置」があって、その視点から「事実をわざと曲解してでも」記事を作ってメディアに載せる。 そういう彼らのやり方は、これからも変わらないんだろうな。 

だとすると、販売店員の給料の急降下も、止まらない!?

ちなみにわが家は、朝日新聞を先月解約。それまで15年以上はとっていたかな。 いちおう書いておくと、ウチの場合、販売員の「再勧誘」にもハンコを押すことはなかったです。

販売店ではそういう長期契約者を選んで再訪問しているんだとか。

「いつからでもいいので、また講読してもらえませんか」と。長期契約者なら愛着とかもあって、再契約の“脈”がある、と踏んでいるんでしょう。実際、僕は朝日の活字に慣れてしまっているので、ほかの新聞の活字はちょっと違和感があったりします。 

販売店は退職金も出してくれないんだとか。経営が苦しいのか、もともとそういう規則だったのかは聞き忘れたけど。ただし、そうやって元の購読者の家を回って契約が取れれば、それが「退職金がわり」になるんだとか。自分の退職金を、自分で稼がないといけないのか! 

その販売店、販売員がバイクで転倒したときに労災に入っていなかったことが発覚、それもこの仕事を辞める理由になったんだとか。  

で、その販売員、この仕事を辞めたあとは、福島に仕事を見つけたのだそう。「福島」でケチを付けた(慰安婦の方がダメージ大きいけど)朝日新聞のせいで福島に行くなんて、妙な巡り合わせだよなぁ。

※画像は本文と関係ないです。ちなみにここから転載→http://www.lococom.jp/mt/si121235/

イチローは分かってるなぁ。移籍会見コメントを見て。

image

FC東京に、前田遼一選手が加わることになった。

元日本代表のフォワードで、オシムさん、岡田さん、ザッケローニさんから呼ばれた、言ってみればビッグネームだ。世間から見れば、「あの前田がFC東京に移籍した」という見方だろう。新聞とかもそんな論調だし。

ところが、東京サポの僕に取ってみれば、まったく逆。

「ウチらのチームに、前田選手が来た」

もちろん、彼の実績は知ってる。

でも、彼がいた磐田はJ2に落ちて、2014年シーズンは入れ替え戦まで行きながら昇格できなかった。東京に来たからといって、良い働きができる保障はないし。しかも彼は今年34歳だし。

なので、2015シーズン、まずは結果を出して欲しい。というのが、前田選手に対する気持ち。
まずチームありき。有名な選手だからといって、結果を出してくれないと、僕らは認める気にはなれない。

ところで、野球のイチロー選手がマリーンズに移籍した。その記者会見で次のコメントを発した。

「新しい場所に行って新しいユニホームを着てプレーすることに決まったが、 『これからも応援よろしくお願いします』とは僕は絶対に言わない。 応援してもらえる選手であるために、やらなければいけないことを続けていく」

クラブやチームは、選手たちが主役ではない。あくまでもファンやサポーターが主役。だから、どんなに実績がある選手でもまずファンやサポーターから認めてもらわない限り、存在価値がない。

そういった構図を、イチローはよく分かってると思った。

前田も、がんばれ!

ISILがヤバい、と思う僕なりの理由。

ISIL(世間的には「イスラム国」)は怖い。ヤバい。

だって、オウム真理教のときとそっくりな感じがするから。しかも今回は、その超強力拡大版に見えるから。

「こんな社会じゃダメだ」なんて思うときは、しょっちゅうある。特に若いときなんかはそうだ。ただ、僕なんかはそんなにマジメじゃなかったし、ラクだったり楽しかったりする方が好きなので、どんどん流されていっちゃったけど。

でもマジメだったり一本気だったりする人の中に、たまにとことん突き詰めちゃう人がいる。
中村修二さんみたいな研究者だったら良いんだけど、そうじゃない人はどうするか。

あの、オウム真理教があった時代は、「麻原彰晃」と名乗っていた松本智津夫について行っちゃった人が多く出た。生まれたばかりのひな鳥が、最初に見たモノを親だと思ってついて行くみたいに。

この人となら、現状を打破できる。世の中を変えられる。理想を実現できる。そんな思い込みもあったと思うよ。
そうでなければ、東大とか京大とか世間一般で「頭が良い」といわれている人が、あんなにも共感して、犯罪に手を染めていったりするわけがない。

理想もこころざしもあった。それを支える知性も持ち合わせていた。
だけど、性急に「解」や「結果」を求めすぎた。マジメすぎたこともそうした行動に拍車をかけたのだと思う。
社会的な手続きを踏まないで自分たちの意思を通そうとしても、それは社会が認めない。敵対するしかない。
まさに、彼らはダークサイドに落ちていっちゃったんだな。

あの時代の、そういう構図が、いま「イスラム」の名のもと、全世界規模で広まっているのがISILなんじゃないか。と思うわけ。

現社会の体制に疑問や不満を持つ人たちの受け皿。オウム真理教のときは、松本がアグラをかいてちょっと跳んで見せて、それを見た人が「おおぉっ!」なんて感動しちゃって入信しちゃった、、、なんてかわいいもんだったけど、ISILは桁違いだ。

世界に冠たる巨大宗教のイスラムがベース。信仰者は全世界にいるし、文化としてもものすごく幅広くて奥が深い。世界でどんどん吸い寄せられる人が出てきている。
実際に日本でも、北大生が行きそうになって公安に止められたけど。しかも、今回もサリンの時と同じような高学歴の若者だし。

オウム真理教のときは、アジアの片隅の、ちっぽけな国での話で終焉したけど。
ISILはまったく違う。そんなことじゃすまない。全アラブ、全世界規模。しかもその吸引力はハンパない。

悪夢。早く終わってくれ、と思う。

※画像はhttps://www.youtube.com/watch?v=VZuxX1pRXVYより

時代遅れのテレ朝「報道ステーション」。痛々しかったな。

いまさっきまで、テレ朝の報道ステーションを見てた。

そしてチャンネルを回した。だって、役に立たなかったから。

実は、この番組の1月26日放送分の内容がひどかったらしい。

以下、「イスラム国を「利用」して安倍批判をするな! 」からの引用
当該放送では、例のイスラム国を名乗るテロ集団の犯罪行為を扱っていたのだが、ひどかったのは古賀茂明というコメンテーターの見解と言葉だ。耳を疑う言葉が連発され、あまりにも度が過ぎていたためちょっと途中から突っ込み待ちのボケかと疑ったほどだった。 「人質がとられていることは去年から分かっていた」 「それを知りながら安倍首相はイスラム国と敵対する国々に支援金を出した」 「その上応援のスピーチまでした」 「安倍首相はイスラム国を空爆する国々に仲間入りしたかったのではないか?」 何を言い始めてるんだ?
そもそもこんなこと、今言うことなのか?
(引用以上)

なので、今日27日、番組を見てみた。怖い物見たさ(笑)?

で、以下、内容で気付いた点。

◎安倍首相が米英と歩調を合わせるように「ISIL」と言っていたことを強調。

◎例の2人がすでに11月の段階で人質になっていたことが政府はすでに把握していて、対策室を設けていたことを報道。

◎その上で、「政府は分かっていたが、その一方でISIL対策で支援を表明した」と総括するように言っていた。

◎26日の放送で批判していたようなことは、古賀さんは言わなかった。 その反面、「ISILはなぜ発生したのか」というミニ特集を放映。

◎イラクやヨルダン周辺の国境は欧米列強が決めた(サイクス・ピコ協約)。

◎それに対するアラブ諸国の反感は根強い。

◎シリア内戦を機に、間隙を縫うようにしてISILが国土を拡大した。

◎その際、シリア内戦を支援する国の資金を巧みに利用した。

◎国内は意外に近代的で、ポリオワクチンの接種なども行っている(このあたりは専門家のインタビューとともに)

だいたい、そんな内容だったと思う。録画はしてなかった。

米欧の首脳や安倍首相が「ISIL」と言っていたのに対し、番組出演者は古舘さんも古賀さんも「イスラム国」と言っていたのが印象的。

 「もちろん、イスラム国のやってることは残虐で許せないけど」といった旨の前置きとともに古舘さんと古賀さんが次のような内容を発言(録画してないので記憶で記述)。

「どんなことも視点を変えると、違ったことが見えてくる。イスラム国にも同じことが言えるんじゃないか」

「みなさんもこの機会に、違った見方をしてみてはどうですか」

ここから僕の感想ですが、

「イスラム国」って言い通すだなんて、「俺たちはあいつら(主に安倍首相のこと)とは違うからな」と主張したい、何とかして一線を画す言説を醸したいのか。

ISILの解説映像も、あの集団を肯定しているようにも見えたし。

何といっても、ISILの出現は欧米列国の帝国主義が原因、としか見えない映像の作りは異様。

この一大事のときに、なんて幼稚でひとりよがりな報道姿勢なんだろ。 そして一番カチンと来たのが「違った見方を〜」のもの言い。

俺たちだけが本筋を捉えている。それをお前らに教えてやる。といった姿勢。

なんという上から目線!!

これは朝日新聞の慰安婦報道などにも通じる姿勢。

古舘さんの、しかつめらしい顔が、嫌悪と反感に拍車をかける。

違うんだけどね。 時代も、情報に対するニーズも変わったんだけどね。

昔みたいな一般大衆は情弱、みたいな時代はとっくに過ぎて、 情報なんかネットでいろいろ当たれるし、SNSで本人に直接聞いたりもできる。

なので、僕がいま欲しいのは、正確な情報。豊富な情報。

いろいろ見て、読んで、自分で判断したい。

別に上から目線でイデオロギーで汚れた誰かさんにご教授いただかなくてもいいよ。

そういう、時代の変化を知らない、あるいは見て見ぬふりをしているかのようなこの番組の作り方が、とても痛々しかった。

ちょうど朝日新聞もやめることだし、もうこの番組も見ないと思う。

※報ステの画像を探すのも面倒なので、今回は画像なし!

すごい文章家(ホントは学者さん)が現れた!(僕が知らなかっただけ?)

image

東京大学准教授の池内恵(さとし)さんの文章が楽しい。ブログやFacebookの書き込みを読むのが、いきなりマイブームになってしまった。

何しろ、キレがある。

「学者もどきの現状全否定阿保ユートピア本」(『イスラーム国の衝撃』の主要書店での在庫状況を調べてみました)なんて、すごいキャッチフレーズだと思う。

ISISの人質事件で、安倍政権の姿勢を批判する人たちに対して、次のように書いている。

「特定の勢力の気分を害する政策をやればテロが起こるからやめろ」という議論が成り立つなら、民主政治も主権国家も成り立たない。ただ剥き出しの暴力を行使するものの意が通る社会になる。今回の件で、「イスラーム国を刺激した」ことを非難する論調を提示する者が出てきた場合、そのような暴力が勝つ社会にしたいのですかと問いたい。(「イスラーム国」による日本人人質殺害予告について:メディアの皆様へ

もともとはアラブ諸国を研究テーマにされている学者さんで、近著「イスラーム国の衝撃」の出版がたまたま例の人質事件と重なり、いきなり、という感じで注目されたかた。

その文章は舌鋒鋭くて、何しろ正論。反論の余地さえない、ど真ん中の正論。

「そのような暴力が勝つ社会にしたいのですかと問いたい。」という問いかけに反論できる人なんか、いるんだろうか。

多分、ものすごい量の文章を書いて、基本的な言葉の意味をきちんと把握しているんだと思う。

一方で、膨大な本を読み、知識を詰め込んでる。その豊かな知識を土台に、正確で揺るぎない全体論理が構築されている。

しかも、Twitter時代などSNSで磨いたと思われる、リズミカルでモダンな言葉回しと文章で全体デザインされている。

まさに現代アートのような、って言いすぎ?

僕も書いてみたいけど、ちょっとやそっとじゃ書けないよなぁ。

※画像はhttp://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2014/06/r00027503/より