ピンポイントなCM。【三井のリハウス】「おばあちゃんの家」編

作るのが難しかっただろうな、と思えるCM。

だって、死んだ親の家を売ってください、なんて、とても生臭い話。
“清く明るく正しく” が求められるCMとは対岸にあるようなテーマ。

それを、
「死んだおばあちゃんが登場する」という、ひとヒネリしたストーリーと
「樹木希林さん」という希代の名女優で解決した。

特に希林さんの演技は良かった。

スタートはコミカルで楽しい演技。へそくりを現世の孫にぽいっと渡したりして家族との深い絆を感じさせる。

そしてキメのセリフ「家ってね、人が住まないとダメになっちゃうからね」のシーンでは凜と背筋を伸ばして、正論を伝える。
あえて横顔。
正面からだとメッセージが強くなりすぎ、時として反感を買ってしまう。

このセリフで、おばあちゃんが住んでいた思い出深い家を売ろうかどうしようか迷っている人に、その決別の意義をキリッとした表情で伝える。
見ていてつい、「そうだね」「人が住まなくなった家は次の人に託した方がいいよね」って僕は納得してしまった。制作者の思うツボ(笑)。

コミカルな表情から深みと説得力のある真摯な表情まで、守備範囲の広い演技。希林さんの名演技なくしてこのCMは成立しなかっただろう。希林さんあってのCM企画。代案はどうしたんだろう、なんてつい余計なことを考えてしまった。

登場人物にいっぺん死んでもらうという演出、そして希林さんの名演技。このピンポイントのような企画で、とても難しいテーマ設定を見事にクリアしCMとして成立させた。制作者の手腕を感じるCMだ。

フリーテル乗り換えプロジェクト vol.1:SIM契約はMNPと同じ名義に

突然ですが、格安スマホに乗り換えようと思いました。

ちょうどうちの奥さんの契約の“2年縛り”が解けるので、やってみようか、ということに。
プロセスとして次のようなことがあるけれど、

1.どの格安スマホにするか
 →今使ってる機種(iPhone5C)は使える?
 →値段はどの会社が安い? 使いやすい?
2,スマホの会社決定(フリーテルを選定)
 →プラン選定
 →口座開設、申込み
3.MNP申請
4.MNP乗り換え手続き〜開通 ←いまココ

うちはいま「4」に来たところ。
以前よりは簡単になって、Webでもイロイロできるようになったけれど、やっぱり慣れないことなので、いろいろ「あちゃー」なことがありました。
で、リマインダー代わりに気付いたことをメモしていきたいと思います。

今回の「あちゃー」はコレ。

MNPの名義人

奥さんのスマホの名義は、奥さん本人。支払いは私。
フリーテル移行時も、私が支払うので、ついうっかり私の名義で申し込んだわけです。
同社のウェブページに代金引き落とし用のクレジットカード登録があり、それが通信料支払いにもなるので。

ただし、そうやると、手元にやってくるSIMは私の名義になります。

MNPする場合、同じ名義でないと移行できない(ということをMNP移行手続きとき初めて知った)。
奥さんの名義 → 私の名義で開通したSIMにはそのまますんなり移行できない。
奥さんの身分証明とかいろいろ必要になるわけ。

開通手続きのときに、これですったもんだしたわけです。

というわけで、教訓めいたことを書くと、、、

新しくSIM契約するなら、MNPの名義と同じに

フリーテルの場合、基本的にウェブサイトからマイページを開設して申し込むことになりますが、その際、マイページの名義をMNPする回線の名義人と同じにしておくと、すんなりいきます。
うちみたいに、名義人と払う人が違う場合は、要注意です。

ちなみにウェブサイト登録時、名義人と支払う人が違う場合は、マイページを名義人の名義で開設(うちの場合なら奥さん名義)し、支払い用のクレジットカードを登録するときに、支払人の名義のクレジットカード情報(うちの場合なら私の情報)を入力します。

またその際、免許証などの身分証明書が必要になりますが、これは名義人、支払人の両方に必要となります。
(支払い人を家族以外の人にすることはできないという情報もあり、要確認)

うちはどうしたか?

ヨドバシカメラにフリーテルの窓口があり、そこでやってもらいました。
ただそのときも、名義人と支払人、2人で(うちだったら夫婦)で行って、それぞれ身分証明書をかかりの人に提示する必要があります。

窓口に出向く必要はあるけど、ぜんぶその場でできて、やっぱりこういうときは窓口があると便利ですね。

その他にも、SIMの申込みのときにちょっとしたミスですったもんだがあったりで、結局いろいろあったんだけど、それはまた次の機会に。

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あれが良い質問だったなんて、いくらなんでも我田引水が過ぎる。

リオオリンピックが大変なメダルラッシュということでマスメディア各局は大喜びです。テレビは軒並み高視聴率。ネットニュースのアクセス数も好推移し、関係者たちはホクホクなのだとか。そんな中、体操の内村選手への下記インタビューに対して、大きなバッシングが起こっています

情報源: 海外メディアが内村選手に「失礼な質問」をしたって?いや、それは完全に逆です。

と、長谷川さん。そして、こんな感じで続けます。

どこの国の記者の質問かは分かりませんが、彼の質問によって

・内村選手は反論の機会を得て
・2位・3位の選手がどれだけ内村航平という選手をリスペクトしていて
・彼らの受け答えから、彼ら3人の競技以外の側面・人間関係まで垣間見えた

気はしませんか?

スポーツとか、スポーツマンの本質をあぶり出すのに良い質問だった、グッジョブだったと。

でもそれって、結果論じゃないか。我田引水が過ぎるんじゃないか。

スポーツの世界にも人種差別的なことを言う人はいまだ残っていて、テニスの錦織選手もアジア人ということで失礼な質問をされることがあるという。白人優位のF1レースで、ブラジルからやってきたアイルトン・セナが冷遇、蔑視されたのは有名な話だ。

「今回は白人選手が勝つチャンスだったのに、アジア人のあなたが優遇されてるせいで優勝できなかった」
今回の、内村選手への記者会見で、記者のそんな気持ちがあったんじゃないか。
長谷川さん、指摘するなら、そっちの方だと僕は思うよ。

「Apple Motors」ができる?

アップルの売上げが低迷しているそうだ。
いくらアップルでも打ち出の小槌じゃないんだから、そういつまでも新ネタを出し続けることはムリだろう。投資家は期待し過ぎ。

それより「自動車に照準」という小見出しが気になった。
記事によれば、自動車開発ができるくらいの広大な敷地を用意し自動運転の電気自動車を開発、2020年以降に開発完了予定で、鴻海と組んで製品化するのではないか、とある。
そもそも、iPhoneなど家電製品しか作ったことのない鴻海に自動車が作れるんだろうか?

僕が気になったのは販売チャネル。
自動車だと、さすがに通販で、というわけにはいかないのではないか。でも、もし通販でヤルとしたら、それはどんなスタイルになるんだろうか。商品=クルマをどう客間で届け、基本的な注意事項や使用上の注意などのインスペクションはどうやるのか。

これまで通りリアル店舗で販売するとなると、新たに「Apple Motors」を興すのか。それとも既存のアップルストアのチャネルを活用するのか。
いずれにしても、これまでとはまったく違う販売スタイルになりそう。というか、Appleのことだからつい期待してしまう。

またクルマは車検などのメンテナンスが必要となるけれども、それはどのような対応をするのか。Appleが自前で整えるとは思えない。どこかの自動車サービス会社と組むのではないか。日本には、MacintoshのAppleのほかに車検や整備の「Apple」という会社もあるけれど、そこと組んだらおもしろいな、などなど。

iPhoneがコモディティ化するのはかねてよりの既定事項。なので、Appleは全力をかけて次のビジネス=自動車開発に専念するはず。その開発と販売は既定事項だと思う。
いずれにしても、これまでとはまったく違うパラダイムの「自動車」になるはずで、その際は売り方やサービス方法なども、Apple流に変えてくるのではないか。

ポケモンGOと、セカイカメラ。アイデアが熟すには、やはり時間が必要?

ポケモンGOのニュースを聞いて、「セカイカメラ」を思い出した。

ポケモンGOと同じく拡張現実(AR)のアプリとして、iPhoneのカメラ画像にGPSとコンパスで場所を特定して、タグを貼ったりコミュニケーションできた。いまだったら食べログの評価をリアル空間に重ね合わせるような、そんなことができるシステムだった。

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あれは2008年か2009年くらいだったか、アプリのリリース前にたまたま仕事関連で、セカイカメラの関係者とミーティングする機会があった。
「このアプリで世界が変わります!」って、彼はドヤ顔でいろいろ説明してくれて。
「そうですか、使ってみます!」と僕も感化されて帰ってきた。

リリース後、実際にあちこちで使ってみたが、正直なところ「うーん・・・」という感じ。
まず、アプリの動作が重い。カメラを向けても、その地点などのタグ情報の表示がモッサリしていた。カメラを動かすとタグもいっしょに動くが、カクカクとしていて美しくない。

タグを書き込んでも、それが反映されて表示されるまでにかなり時間がかかる。だから、街中でタグを見つけてそれを確認するにも相当な時間がかかる。移動の途中でちょっとタグを貼ったり見たり、というようなことはちょっと難しかった。

当時はインターネットの回線が遅かったし(3G)、システム自身や端末自体のデータの処理速度もそれなりの速さ(遅さ?)だった。GPSの精度もいまから比べればまだまだ。

つまり、アイデアは良かったけれど、インフラが付いてきていなかった。
カッコいいクルマはできたが、道がでこぼこでボロだったようなもの。

そして時間は過ぎて。
「ポケモンGO、本日リリース」とスマホのお知らせ画面に次々とニュース速報が流れてきて、それに押されるようにダウンロードしてやってみた。

カメラは滑らかで美しく、そこに表示されるポケモンのキャラクターはかわいくて元気に動く。モンスターボールも自分の思うとおりの方向や距離に飛んで行く。

こんどのARは僕も楽しいと感じた。みんなが熱狂する理由が分かった気がした。
こんな“拡張現実”の世界を、セカイカメラは作りたかったんだろうな、と思った。

インターネットもマシンもGPSも、インフラのパフォーマンスがやっと追いついてきたんだと思った。

セカイカメラの着想から、ポケモンGOに行き着くまでに7〜8年。
テクノロジーの開発やイノベーションのスピードが速くなっているけど、アイデアが実用化するまでには、やはりそのくらいの時間は必要なのかもしれない。

※ポケモンGOの画像はこちらより
※セカイカメラの画像はウィキペディアより

Jリーグの放映権が、2000億円で売れる時代になった

2000億!と聞いてビックリしたけど、10年契約。なので、年平均で200億円程度(記事によればスライド制)。しかもJ1からJ3までの3リーグすべてなので、1チームあたりの分配金はいくらになるのか。でも、経済基盤の弱い下位リーグのチームには朗報だと思う。

 Jリーグは英動画配信大手パフォームグループと、2017年から10年間の放映権契約を結ぶことで合意した。Jリーグが受け取る放映権料は総額2000億円超と現契約の約7倍となり、日本のスポーツ放映権として

情報源: Jリーグ放映権2000億円、英社と契約 スマホに配信

ちなみに、世界はどうなっているかというと、プレミアリーグは3年で約1.3兆円(95億ユーロ)。ブンデスリーガは約1170億円(8億3500万ユーロ)。ケタが違う(笑)。

  契約期間は2016年から2019年の3年間で、95億ユーロ(約1.3兆円)となっているようだ。この結果、プレミア各クラブは分配金により約50%収入がアップすると言われている。

 同紙は、ブンデスリーガの2016-17シーズンの放映権料が8億3500万ユーロ(約1170億円)と明かし、それと比較して比べものにならない数字だと述べている。

 この巨額の放映権料の内訳は3シーズンで69億ユーロ(約9700億円)がリーグの放映権料となり、さらに海外放映権料が26億ユーロ(約3700億円)となっている様子。

 同紙によれば試合放映だけでの収入がプレミアリーグに匹敵するクラブはないようで、昨季の降格したカーディフですら7600万ユーロ(約106億円)で、バイエルン・ミュンヘンの3700万ユーロ(約51億円)の倍だという。

情報源:プレミアリーグが放映権料約1.3兆円の巨額契約を締結

記事によればプレミアリーグ>>>ブンデスリーガ、だが、Jリーグと比べたらブンデスだって遙かに羨ましい。放映権という“モノサシ”のおかげで、僕らのJリーグの立ち位置も分かるようになったともいえる。
でも、放映権料という、ブンデスリーガ隆盛のきっかけとなった「ビジネスモデル」を手に入れたことで、これからのJリーグの充実に期待したい。

ただ、放映権料といってもテレビ放映ではなく、ネット配信の権利料がメイン。これからは、スマホやPCで観戦するスタイルがますます主流になっていくんだろう。その逆に、テレビコンテンツはさらに先細りして、メディアとしての存在感をますます失っていくのではないか。それも気になった。

ノープラン野党に未来はあるか? 僕はこの夏、野党連合には投票しない

野党の劣化が酷い。

先日、桝添氏の都知事辞職で、民進党・岡田党首がテレビ取材に答え「これは自民党党首である安倍首相の責任でもある。しっかりと追求していきたい」と言っているのを見て笑ってしまった。
まず追求されるべきは、桝添氏の所業なのでは? 何でもどんなことでも安倍さんの責任に結びつける。まるで気に入らない嫁をいびる姑のような理不尽な言動。政党の党首がこんなことで広く市民の共感を得られるのか。

さらに酷いのは、都知事選の候補者選びについて。インタビューアの問いかけに「白紙です」と即座に断言。それまでの流れで桝添氏の都知事辞任は必然の流れだったにもかかわらず、何も用意していない。実際は水面下でやっていたのかもしれないが、この答え方では「何も準備してない野党」という印象しか残らない。これでは何か託そうという気にすらもならない。

夏の参院選を控えて、党首討論のテレビ番組があったらしい。僕はそれ見ていなくて、サマリー記事しか読んでないが、そこでは野党の野合が批判の対象となったそうだ。
民進党や共産党が連合し主に1人区で自民党候補者の対立候補を立て、野党勢力の拡大を狙っている。
要は「自民党のやり方が気に入らない人は、野党連合に一票を」という戦術だが、僕はこのやり方はありえないと思う。

野党に投票しても、未来が見えないからだ。

 民進、共産、生活、社民の野党4党の幹事長・書記局長は21日午後、国会内で会談した。 会談終了後に4人がそろって記者会見し、会談で参院選と都知事選の2点について話し合ったと報告。「参院選については、全ての1人区で候補者を一本化し、自民党と一騎打ちの構造に出

情報源: 野党4党が「生活者ネット、市民連合と一致して推せる候補を擁立」で一致

そもそも選挙というのは、未来の選択=政策の選択ではなかったか。
「反・安倍政権」ばかりでその先の政策に関して何の代案も示さない「野党」には、何の未来=政策もない。

安倍政権のやり方が気にくわないのは分かった。アベノミクスや原発、安保、改憲が厭なのも分かった。ただそれは「主張」であって「政策」ではない。
政策とは、この先の日本はどの方向に進むべきか、どうすれば国民が幸せに暮らせるのか。そのプランを具体的策ではないか。少なくとも「政党」を名乗り、助成金をもらう「政治のプロ」であるならば、正しい「政策」を掲げるべき。

アベノミクスがダメならどんな経済施策があるのか。原発をやめたあと日本のエネルギー政策はどうなるのか。安保がダメなら日本はどうやって国際的な安全を確保するのか。世界の情勢や構造が変わる中、このままの憲法で今後も平和で繁栄できるのか。
彼らは何の説明もしない。

政策とその実施を具体化した「マニフェスト」を始めたのは、民進党の前進、民主党ではなかったか。あれは、過去の選挙キャンペーンのネタでしかなかったのか。

いつもノープランで反対しかしない共産党がじわじわと得票数を伸ばしている。さらにSEALDsのような「反対こそがポリシー」といった運動も多くの支持を集めている。
そんな状況を脇目に、岡田氏などいわゆる野党の人たちも感化され同調しているように見える。「とりあえず反対しておけば、票が望める」とでも思っているのか。野党の思考停止だ。

この夏の参院選、このまま「反・安倍政権」を繰り返すだけのチーム・ノープラン野党なら、投票の選択肢にはなり得ない。
僕は与党に入れる。消去法による消極的な投票行動、けれどもそれしか僕が納得できる選択肢がないのだから、しかたない。

画像は下記より
http://www.sankei.com/politics/photos/160619/plt1606190027-p1.html

 

 

ジダンと歌丸師匠に感じる「美学」

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「まだできるじゃないですか?」
「あと2つね!」

2006年のドイツ・ワールドカップ、準々決勝でブラジルに勝ったフランスのジダンのインタビューでのこと。彼はこの大会を最後に選手生活の引退を表明していた。

このゲームでジダンは決勝ゴールのアシストを決めたほか、スーパープレイを連発してマッチMVPにも選出された。
そんなゲーム直後、インタビューアからの質問にジダンが答えたのが冒頭のやり取り。

このゲームの活躍ぶりを見て「まだまだできる、引退はもったいない」と水を向けたインタビューアに対して、「あと2つ(準決勝と決勝の2戦)だけだよ」と、あくまでもジダンは優勝して引退を主張する。

短いやり取りの中に、この天才の引退を惜しむみんなの気持ちを代弁するようなインタビューアの質問と、それに対していかにもフランス人らしいエスプリの効いた答えを返すジダン、その両者の対照的な立場がとても印象に残ったシーンだった。

そしてあれから10年後の日本。

長寿番組「笑点」の顔とも言える歌丸師匠が、ついに引退を表明し、その最後の収録が行われた。

歌丸師匠といえば、僕は、まだ大喜利メンバーとして座布団の上にすわっている時代から見ていた。いつの間にか司会席に場所を移し、病欠しながらも長年、番組に出演していた。「笑っていいとも」のタモリと、どっちが長いんだろう?

そんな歌丸師匠が最後の収録で、師匠らしいエンディングを迎えたそうだ。

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歌丸師匠が笑点司会勇退発表したあと客が 「まだできるぞ~!」ってさけんだあと大喜利で使ってたYESとNOの札使ってNOって即答して笑ったし歌丸師匠やっぱすごい

出典はこちら

ジダンはエスプリで、歌丸師匠は笑いで、それぞれのエンディングを演出した(ジダンは決勝戦であの頭突き事件という衝撃的なラストを迎えるのだけれど)。

まだできるかもしれない。周囲もそれを望んでいるのは分かっている。でも、これ以上やったら、自分のプレイや芸が保証できない。それはプライドが許さない。そんな第一人者としての「美学」を両者に感じる。サッカーと落語、まったく違う領域だけれど。

頂点を極めた人だけができる、勇気ある決断だ。

トランプ候補がやっているのはマーケティング。選挙戦ではない

米大統領選で共和党候補となる見通しの実業家ドナルド・トランプ氏は8日、高額所得者に対しては増税せざるを得ないかもしれないと述べた。これまでは減税を公約していた。

情報源: 【米大統領選2016】トランプ氏、高額所得者増税に方針転換か – BBCニュース

 

 

選挙はいつからマーケティングの戦いになったのか。トランプ候補の(予想外の)大躍進を見ていて、つくづくそう思う。

たしかにアメリカの大統領選は、マーケティングやICTの手法を積極的に取り入れてきた。オバマはTwitterなどのSNSで支持を広げるとともに、選挙戦の費用をクラウドファウンディングの手法で集めた。さらに有権者のニーズを「Change」のワンフレーズに集約させ、分かりやすく効果的なキャンペーンに仕上げた。
それでも当時のオバマ候補には主張があり、政策があった。それをマーケティングの手法で広め、支持を集めた。

ちなみにオバマ候補は、ヒスパニックなどの支持者を念頭に社会保障の充実をはじめ、イラク撤兵など平和主義的な政策を打ち出していた。ちょうど、この原稿を書いている日にはオバマ大統領の広島訪問が報じられ話題になっている。彼の理念というか政策は、任期終了間際となった今も変わらず貫かれているように感じる。

それに対して、今回のトランプ候補の手法はまさにマーケティングそのものだ。市場リサーチをかけ、有権者の不満やニーズを洗い出し、彼らが望むようなことを「公約という商品」にまとめ、全米を回って演説して売り歩いた。
その結果、トランプの「商品」に列をなす有権者が続出し、並みいるライバルを押しのけ、共和党の指名獲得の最右翼まで駆け上がってきたわけだ。

つい先日も、トランプ候補は富裕層への増税策を発表した。選挙戦の開始当初は減税路線だったので、その主張を180度転換したわけだ。
トランプ候補にとっては有権者のニーズがそのまま公約であり、彼の「顧客」である中間層が望むのであれば方針転換も柔軟に行う。
例えるなら、カフェで酒を飲んでいる客のグラスが空いたら、そこに酒をつぎに回るようなもの。それまでビールを注いでいた客が、次のグラスはワインが欲しいと言ったら、黙ってワイングラスを用意し、ボトルの栓を抜く。

当然、そこに一貫した政策や主張はない。顧客である有権者(支持層)が求め、喜ぶものを、彼はドラえもんのようにどんどん繰り出してくる。
ヒスパニックやイスラム教徒を追い出し栄光のアメリカを取り戻す、そのために外国籍の企業を追い出し、輸入品には高関税をかけ、アメリカの利益と雇用を守る。海外からの移民や外国企業に、職や所得を奪われているアメリカの中間層が彼に熱を上げるのも無理はない。

繰り返すが、彼が展開しているのは「顧客」を獲得するためのマーケティング戦略だ。自らの主義主張を広く大衆に問う、選挙の手法では決してない。
選挙戦での政策論争はどことなく他人事のような感じがするし、内容はこれまでの路線の延長線上でしかなく新味に乏しい。
それに対してトランプ候補が演説で行っているのは、マーケティング戦略に基づく広告キャンペーン。近未来をバラ色に感じさせ、多くの人をひきつけ、熱狂的な空気をかもし出す。従来的な「選挙戦」を戦っている他の候補が、彼に勝てるわけがない。

このまま全米は、彼のマーケティング戦略に屈してしまうのか。
それとも最後の最後に正気と冷静さを取り戻し、政治的な将来を選択するのだろうか。

最近の「イノベーション」に感じる違和感

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僕が子供のころは、クルマが毎年毎年、シュッとしていった。

金型成形の技術の進化によって、全体のシェイプやデザインにどんどん磨きがかけられたり、ターボや動弁装置などの新技術によってパワーがどんどん上積みされたり。クルマに限らずテレビなどの家電品やステレオ、ラジカセ(!)などでも、技術革新とその商品化がめざましい勢いで進んだ。エボリューションとソフィスティケーテッドの時代。主に1970年代のことだ。
折からの経済成長で所得が向上したこともあって、次々と発表される新技術を買って体験する、そういう幸せな時代を過ごせた。と、今になって思う。

それに対して近年、例えば90年代以降の技術革新というとインターネットに代表されるIT化だ(ついでに低成長)。iPhoneに代表されるように、電話や音楽プレーヤーなど、すでにある技術を組み合わせて価値を作るというやり方。そう、エボリューションから「イノベーション」へ、それによる新たなビジネスモデル構築の時代へ。というか、ビジネスモデル構築こそイノベーションだという風潮さえあるように思う。

そういう風に考えると、特にIT関連の人たちが自動運転車とかに熱狂しているのが何となく理解できるようになってきた。彼らは、クルマそのものの進化ではなく、ITやネットワーク化がもたらす新しいビジネスモデルにワクワクしている。UBERみたいな。

一方で、モノやメカ自体がどんどん進化していく“幸福な時代”を過ごした、僕のようなおっさんにとっては、最近の「イノベーション」であっても、その成果物であるモノ自体に、どうしても目がいってしまってしまう。

だから、Googleが作った自動運転カーはパックマンのお化けみたいだし、テスラモータースの電気自動車はロータスやジャガーのオリジナルデザインを知っているだけに見ためのインパクトや魅力はゼロ。そのカタチに新鮮味はひとつもなく、イノベーションがデザインされていない。走ると違うんだけどね。

そう、最近のイノベーションは、カッコ良くないんだ。見て楽しくないんだ。
あの程度のモノ見せられて「コレが未来だ!」みたいなことをいわれても、まったくワクワクしないわけです。

だったら冒頭の画像の方が、よっぽどインパクトも未来感もあるわけで。ハイテク大国、フランスを象徴する、コンコルドとシトロエンDS。コンコルドの初飛行は1969年だったから、これからまさにメカ・ハイテクの黄金期を迎えようとする頃の一枚だ。