アクセスもイベントのうち

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昨日に続いて、「そうかえん」の話題です。行き帰りがとても大変でした。

演習は、10時から12時まで。その2時間のイベントを見るために、朝4時から夕方5時まで、まる一日かかりました。

そもそも、自衛隊の演習場はパブリックな場所ではないので、交通の便は良くありません。へんぴな場所にあるといった方がいいでしょう。混雑を想定してマイカーは規制され、バスかタクシー、あるいはてくてく歩いていくしかありません。
そこに最近、ネットなどで話題になり、見たい人がワッと押し寄せるようなことになっています。前の日から来て待っている人もいたようです。すごい!

そのせいか、明け方4時に御殿場に着いたにもかかわらず、駅周辺の駐車場は満杯! なんでも夜中0時にはその状態になっていたようです。
何とかクルマを置いて会場に辿り着くと、こんどは人の行列。スタンドに座るまで2時間かかりました。

終了後、帰りの列についたところ、会場を出るまでに1時間半、タクシー待ちの列で2時間、御殿場市街地に置いたクルマに辿り着いたのは、夕方5時になっていました。

少し状況を甘く見ていたとは言え、大変でした。「もう来年はいやだな」と言いながら待機列に辛抱強く並んでいた人を何人も見ました。
その一方で、迷彩柄の服やグッズを身に纏い、いかにもおたくのような人もけっこういて。そういう人は、来年も前日から用意周到にやってくるでしょう。

「そうかえん」は、本来、新人自衛隊員に装備やその使い方の実際を見せるのが目的。それを一般の人にも周知するために解放することになった、ということなのだそうです。
集団的自衛権の問題で、自衛や戦争について話題や関心が集まっているように思います。僕は、この演習を見ていろいろ考えさせられました。もっとたくさんの人に見てもらいたいと思いました。

でも、行き帰りでとても疲れてしまったので、この意義あるイベント自体の印象や感想よりも、「疲れた」「大変だった」という記憶の方が大きくなってしまいました。

見応えのあるいいイベントだったのに、とても残念です。
イベントで体験した良い記憶や印象をそのまま自宅まで持ち帰ってもらうために、無理のないアクセスは重要だな、と痛感しました。

ほんとうの戦争。

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最後は、歯を食いしばって見てました。なんだか、こちらに向けて実弾を次々と撃ち込まれているようで。

特に、4台の10式戦車が同時に実弾を発射する光景は鮮烈でした。鋭く、ものすごい轟音。何かを引き裂くような、すべてを覆すような。同時に押し寄せる音の衝撃波。頬や腕など、無防備に露出した部分に衝撃を伝えます。そんな実弾が、世界遺産、富士山のふもとの演習場に何発も撃ち込まれていきました。

陸上自衛隊の「そうかえん」を見てきました。
自衛隊の装備が、実際に実弾射撃をしながら、演習を行います。

「痛い、なんて感じることなく死んじゃうんじゃないか」
「死体なんて、一瞬で見分けつかなくなるくらいバラバラになるよ」
僕たちを含め、そんな感想を話し合っている人がたくさんいました。また、そんなことを思わずにいられない、圧倒的な武器の数々でした。

後半の演習は、「島嶼部に対する攻撃への対応」という設定。いまを反映して、ものすごく実践的です。国としては、とても切実な問題ともいえます。

集団的自衛権で、憲法解釈が問題になっています。テレビやネット、新聞で論議され、僕も頭の中ではいろいろ考えていたつもりでした。
戦争とは、どんなことなのか。また、国や生活をも守ると言うことは? 自分の生活が戦争に巻き込まれたら。子どもたちが戦争に行くことになったら・・・

そんな“頭中の空論?”を、木っ端みじんに吹き飛ばすほどの衝撃がありました。演習とはいえ、これが現実(それもほんの一端だけど)なのだと思いました。

実際に見てみて、本当に良かった。帰ってきたばかりの今は、それだけ言うのが精一杯です。

浅草の化学反応

浅草といえば、下町、江戸情緒だ。

雷門、仲店、浅草寺、ちょっと行って、花やしきかな?

うなぎ、すき焼き、どぜう、昔ながらの洋食。そして、電気ブランとか?

そんな浅草で、なんでサンバ? と思っていました。

ウィキペディアで調べたところ、浅草演芸場など大衆娯楽としての浅草のイメージをよみがえらせるため、だそうで。

そういえば浅草は、ビートたけしさんなどの芸人をたくさん育てた町でもありました。うっかりしてました。僕の世代では、そんな面影はもはやないんですが。

サンバカーニバルは1981年スタート。その企画には俳優の伴淳三郎さんも加わっていたとか。

庶民の娯楽の殿堂、浅草の意地というかプライドの象徴が、あのカーニバルだったんですね。なるほどなるほど。

それにしても、浅草でブラジル、あの派手で金ピカな色、浅草寺前であんな衣装で腰振りまくるなんて、ものすごいミスマッチ。でも、あの“外し”がものすごいパワーを生んでいる気がします。

アイデアって、あるコトとあるコトの化学反応のようなもので。三味線で民謡を弾くのは普通だけど、ロックを弾いたら新しくてインパクトある曲になります。三味線×ロックという化学反応が起きるわけです。

浅草サンバカーニバルもこの化学反応だな、と。この反応は50万人も集める“威力”を発揮しているそうです。

こんな化学反応、どこかで起こしてみたいなー!

※画像はhttp://www.asakusa-samba.orgより

便利は不便

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「俺のLINEが乗っ取られたぞー!」

子どもの大学サークルで、みんなで集まっているときに「事件」は発生したそうです。
ある学生のLINEアカウントから別の部員のアカウントへ「カードを買ってもらえますか」というメッセージが。その場に本人がいるわけですから、アカウント乗っ取り&詐欺は明らかです。同時に、その場にいた他の部員にも詐欺メッセージが届いたそうです。

事件、というより、ヒマな学生の格好の“ネタ”とされて、中国語で速攻で返信したり、「それで?」などと日本語で煽るような返事を返したり、遊ばれてしまったようです。そのせいか、敵もすぐに退散。また、アカウントを乗っ取られた本人もすぐに別のアカウントを開設するなど対応したそうです。

フィッシングだとか、ワンクリックだとか、ネット関連ではいろんな詐欺行為が問題となっていますが、最近は何といっても、LINEアカウントを乗っ取り&プリペイドカードによる詐欺。テレビなどでも盛んに取り上げられました。
うちの子どもも、まさにLINEのヘビーユーザーですが、友だちとの会話などで事件のことはよく知っていて、パスワードなどの対策もやっているそうです。

便利は不便、って最近思うことがあります。ちょっと便利なことができると、それを悪用したりする人が増えて、気軽に使えなくなる。最近の傾向か、と。

Eメールにより、ビジネスコミュニケーションは格段に便利になりましたが、情報漏えいなどのセキュリティ問題が発生しはじめました。そうすると、添付ファイルがNGになったり、やり取りするにも特定の人としかできなくなったり、制約が増えて最近はかなり窮屈になりました。

LINEも同じような雲行きとなってきました。せっかく楽しく便利に使ってきたのに、これからはアカウントのことを気にしたり、へんなメッセージが来ないかどうかドキドキしたり(それはすこし期待してる?)することが増えそうで、ちょっと残念です。

平日なのに、けっこう混んでました。

平日の夜だというのに、9,446人と1万人近いサポーターを集めました。

昨日行われた天皇杯、松本山雅戦です。写真で写っているエリアは指定席なのでガラガラですが、ゴール裏はほぼ満員でした。スタンドの向こう、真っ赤に燃えてる夕日がきれいでした。

平日の水曜日、Jリーグのマッチではなく、カップ戦のまだ3回戦、相手はJ2のチーム(でも2位の好成績!)と、あまり注目を集める要素はなかったのですが。

それでも、スタジアムに行くためにお茶の水から電車に乗ったとき、青赤のタオルマフラーを持った人を見かけたり。新宿駅に着いたら、僕らサポーターに加え、相手チームカラーのグリーンもちらほらと。僕の気分も盛り上がってきました。最近は、けっこう人が集まるようになってきました。

FC東京のゲームを初めて見たのは、確か2000年、このチームがJ1に上がってきた年です。当時、味スタはまだ竣工していなかったので、国立競技場まで見に行きました。都心なのに空が広々して、スタジアムの席もガラガラで子どもたちが走り回っていました(笑)。

翌年、味スタができて、こけら落としのゲームはベルディとの東京ダービー。5万人の大観衆(このときの記録はいまだに破られていないと思う)、当時の石原都知事のへろへろとした始球式、そしてロペスの劇的な決勝ゴール・・・

アマラオやジャーン、サンドロ、福田健二、ルーカス、石川直宏、土肥洋一、梶山陽平、今野泰幸、長友佑都などなど、選手の活躍。大熊監督の大声、原さんのひょうひょうとした感じ、城福さんのジャンプもカッコ良かった。

昨夜のゲームでは、ケガ明けの梶山選手がベンチ入り。先発ではないのに、ゴール裏から特別にコールをされていました。待ってました!!という感じ。

また石川選手が後半に交代出場しました。この選手を初めて見たのは、2002年くらい、確かユース代表のテストマッチ(相手はメキシコだった、ような)。ぴょんぴょん跳ねるような動きなのに、とっても速い。右サイドをカンカン上がって、ドリブルしながらでも併走する選手をどんどん追い越してしまう、とんでもない速さは、いまもくっきり憶えています。

当時は横浜Fマリノスの所属だったのですが、確か、このゲームの後に東京に移籍したはずです。

その彼もすでに33歳。FC東京の“顔”として活躍してきた彼も、キャリアの終盤を迎えようとしています。2006年か07年の夏、チームワーストの連敗を喫したとき、ホイッスル後、崩れたまま立ち上がれなかった彼の姿が忘れられません。その他にも、まだまだ思い出がいっぱい!

そんなふうにして、いろんな選手の歴史が刻まれ、チームとしての歴史になって、それが降り積もってこのエリアの文化になっていくのだと思います。

スタジアムができてから、まだまだ13年。これからも1年1年、歴史を積み重ねて、いつかはバルセロナのような年とチームになってほしいな、と。僕は死んでいると思うけど(笑)

Skitch!

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Webページの修正指示、どうすればいいか、困っていました。

すごく前はいちいちプリントアウトして、そこに手書きで修正を入れて、ファクス。でも、モノクロになってしまうので見にくかったり。

次に、画面キャプチャを取ってPowerPointに貼り込み、そこに指示を書いたり。あるいはPDFファイル用のソフト、Adobe Acrobat上でアノテーションを入れたり。

PowerPointは、実はMac上では使いにくくて、ちょっと使うにも気が重いんです。Acrobatも、動きが重いとか画面上でコピペできかなかったり、ちょっとイライラしながら使ってた、という状況でした。

でも、でも、これは使いやすいんじゃない!
という新しいソフトが見つかりました \(^O^)/

「Skitch」というソフト。Sketch(スケッチ)ではないんですね。

Evernoteと連携して使えるアプリで、僕がダウンロードしたリンクはEvernoteのウェブサイトにありました。無料です。

で、その画面をちょいちょいと、そのSkitchでいじったのが上の画像。

ウェブサイトのテストページで「ここ、ちょっと気になる」というところを見つけたら、
・その個所をすぐにキャプチャして
・囲み線や手書き線を入れたり
・テキストで注釈つけたり、
・ヤバいところはモザイクかけたり(←これ新しい)
・終わったらFBやTWでシェアしたり
・もちろんEvernoteに保存したり

こうした作業がシームレスにできる! 

Webページで面白いページを見つけたとき、自分のコメントとかをサッと書き込んで、Facebookに上げたりとかがすぐにできるわけです。素晴らしい!!

公開したくないひとの顔とか情報があったら、モザイクで無効化できる点が新しい感じ。トップ画像のオレンジのテキストなどは、僕がSkitchで書き込みました。その時間、わずか1〜2分程度。すぐできるでしょ。

僕だと、Webページの修正個所をデザイナーに指示する、といった用途なんですが、ちょっとした指示ならもうこれで充分。

もっと多くなったら、電話や直接会って打ち合わせをした方が早くて確実ですからね。

僕は魔法使いじゃないです!!

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そこは、コピーライターの“ワザ”で、何とかならない?

みたいなことをよく言われます。

できるときと、できないときがあります。当たり前ですが。

・例えば、カッコいいキャッチを開発するとか、
・それに合わせてボディコピーを仕立てるとか、
・長めの文章をキリッと読みやすくしたりとか、
・小見出しをつけて話の順序を整理したりとか、
・商品特徴を盛り込んだネーミングを作るとか、
・WebやSNS用のコンテンツづくりのサポートとか、
・同じ商品特徴でもパンフレットやWebなど
 メディアに合わせて分かりやすく編集して読者に伝えるとか、
 とかとか。

ま、そういったことを普段やっているわけです。コピーライターって。

でもでも、まれに、というか冗談っぽかったりもするけど、こんな依頼があったりもするわけで。

・インパクトを出すために、見たことないキャッチが欲しい。でも分かりやすくしたい!
    ↓
  ターゲットの誰もが分かって、理解できる言葉を使わないと
  伝わりません。相手が理解してはじめて、
  インパクトが生まれますんです!

・3つある商品特徴をまとめて、5文字くらいでネーミングできない?
    ↓
  1つのコトバにいくつもの意味をかぶせることはできないし、
  やったとしても、何を言ってるか分からなくなります。
  商品を殺しちゃいます!

 ・どう説明しても原稿用紙3枚分(1200字)ぐらいはかかる文章なんだけど、それを100字くらいにまとめられない?
    ↓
 文章量が多くて少なくならないのは、
 言いたいことが多すぎるからです。
 情報を伝える前に、整理しましょう!!

コトバは魔法じゃありません。
僕は、魔法使いじゃありません(笑) 

おにぎりと想像力。

おにぎり2万個、握れますか。

高校野球のサイドストーリーとしてニッカンスポーツが取材したこの記事がバズって、炎上のような騒ぎになりました。

スポーツ新聞としてはありがちな“美談”です。
甲子園を目指す選手、それを支える人たち、その例として「2万個」というインパクトある数字。甲子園での野球をスポーツとしてではなくドラマ的に切り取ったニュース。「根性」や「献身」といったキーワードが浮かぶ、ずっと昔からおなじみだった日本スポーツ報道の、ひとつのスタイルだといえるでしょう。

それに対してTwitterなどネットの世界で、「男尊女卑」「家事ハラスメント」「労力の無駄」と、ネガティブな反応を示した人が多く出ました。言われてみれば確かにそうで、中には「アメリカのスポーツ活動に女子マネージャーというポジションはない」と、“世界基準”を教えてくれる人もいました。

この対立の構図が面白いな、と僕は思いました。
件の女子マネージャーを含む甲子園関係者と、Twitterなどで“おにぎり批判”するような人は、まさに対局、アッチとコッチで絶対交わらないような感じがしたからです。

「甲子園」をめぐる情熱は、先輩から後輩へ、兄から弟へ、親から子どもへ受け継がれ、学校や地域で熟成されています。これまでずっと続けてきたことや、それらをちょっとブラッシュアップしたりして、これからも甲子園出場を目指し、がんばり続けることでしょう。多分、10年前もそして10年後も、同じような情熱や熱気が、この世界に満ちているはずです。おにぎりのマネージャのように、無償でサポートしてくれる人も絶えないことでしょう。いわば、甲子園の生態系です。

その一方で、世の中はどんどん変わっていきます。セクハラ、ドメスティックバイオレンス、ブラック企業など、新しい言葉とともに新しい概念や基準が持ち込まれたり、基準が整備されたりしています。
今回、ネットの世界で意見を主張した人たちは、こうした世の中の動きや変化といった、時代の奔流に敏感な人たちのような気がします。

何年経ってもほぼ同じ生態系が守られている釧路湿原のような環境と、天候によって流れる水の量や場所がめまぐるしく変わるアマゾン川の源流域のような環境。そんな対象的な光景が、僕の頭に浮かびました。

地球上では、釧路湿原とアマゾン源流は交わることは決してありません。ですが、ことネットを介すと、それが一緒くたになってしまうことが面白いと思いました。

この地球上には、湿原のような場所も奔流のような環境も同時に存在していて、それぞれにそこに人がいる。そこにいる人たちに話しかけるには、それぞれの環境や文化を把握しておかないと。そういう“想像力”を持ってないといけないな、なんて、誰かに何かを伝えたり、モノを言ったりする仕事をする人間として感じたのでした。

あ、冒頭の話ですけど。僕のためにおにぎり握ってくれる女の子がいるんだったら、お金を払ってでもお願いしたい、と思いましたが。本題からズレてる?(笑)

※キャプチャ画面は、http://www.nikkansports.com/baseball/highschool/news/p-bb-tp3-20140812-1349576.html から頂きました。

メディアが変われば、言い方も変わる。

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CDになって、曲の作り方を変えた。

と、小室哲哉さんが以前、インタビューで話していました。ヒット曲を連発していた頃の“秘話”という感じだったでしょうか。

それまでのレコードからCDになって、好きな曲、自分が聴きたい曲をすぐに呼び出せるようになりました。

でも反面、つまらない、聞きたくない曲は、有無を言わさず聞き飛ばせるようにもなったわけです。

小室さんはそこに気付いて、「じゃ、聞き飛ばされないような曲にすればいい」という曲作りをしたそうです。いきなりサビから入る彼の楽曲は、そういう理由から生まれたそうなんです。

なるほど。レコードの時代(いまの人はほとんど知らないんだろうな:笑)は、曲を飛ばそうとすると、曲と曲の合間にあるちょっとした溝を狙って針を落とす「テクニック」が必要でした。へんなふうに針を落としたら溝というかレコード盤を傷つけるので、ちょっとドキドキしたり。また、それをダビングするのも至難の業で、右手で針を持って、左手でカセットテープの録音スタンバイして・・・今から考えると、お笑いですね。

でも、CDというかデジタルになったら、それこそ片手で寝っ転がりながらでもできるようになったわけで。当然、聴き方、楽しみ方は変わりますよね。

そんなメディアの変化に合わせて曲作りを変えた、というのが、彼の成功のポイントだったわけです。まさに、ピンチはチャンス!

これは、僕みたいにコピーを書く人間にもとても参考になった話です。メディアに合わせて言い方を変える、考えるクセがつきました。

少なくとも、メールの書き方が変わりました。小室さんじゃないけど、いきなり本論から書くようになりました。メールって、みんなできれば早く主題を知りたいですからね。

最近では、Webページのほかに、ムービーとかSNSとか、いろいろなメディアがどんどん使われるようになりました。それぞれ、閲覧のスタイルや読者の受け入れ方が違うので、それを想定しながら、言い方を変えています。

どんなふうにするか? それは直接僕に聞いてください!

戦争の記憶、掩体壕(えんたいごう)

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急場しのぎで造ったようなコンクリートの“屋根”のような。初めて見たときは、地元の建築会社の資材置き場かと思ってました。

自宅近くの光景です。ちょうど、西武多摩川線をまたぐ甲州街道の陸橋があり、運転するクルマからでも、写真のように見わたすことができます。

この“屋根”は、「掩体壕」といって、戦時中、アメリカ軍の攻撃から戦闘機を隠しておく目隠しだったのだそうです。甲州街道を通るたび見かけていた不思議な建造物が、実は戦争のなごりだったなんて、初めて知ったときは、ちょっとびっくりでした。

この付近には、調布飛行場があります。いまは、民間のセスナがあったり、大島や新島への定期便が飛んでいたりしますが、昔は陸軍の飛行場でした。

滑走路があるのは、いまの味の素スタジアムの裏手。そこから北に2キロほど行くとスバルの自動車工場や、国際基督教大学(ICU)がありますが、そのあたりまで航空基地の領域だったそうです。

ちなみに、スバルの工場やICUの一帯は、「隼」などの戦闘機を造っていた中島飛行機(スバルの富士重工業の前身)の研究所跡でした。戦後、その敷地にマッカーサーの肝いりでICUが設立されています。ICUでは、中島飛行機時代の建物が、いまも校舎として使われているところもあるそうです。また、ICU内を走る道路はやけに広く造られていますが、これは戦闘機が通るための幅を確保したのだそうです。

その南側には、身近な清流で知られる野川が通る野川公園があります。そこをGoogleマップの航空写真モードで見ると、グリーンとフェアウェイがあるゴルフ場のように見えます。それもそのはず、戦後、アメリカ軍によって基地一帯が接収されたとき、米兵たちのゴルフ場として使われていたそうです。

場所柄でしょうか。ちょっと見わたしただけでも、戦後のなごりを次々に見つけることができます。

昨日は、終戦記念日でした。僕は戦争体験はないですが、せっかく身近にこんなにあれこれあるのですから、家族たちと戦争や平和について考えたり話したりするときの題材にしたいと思っています。

※写真はおととし、掩体壕が府中市によって整備され一般公開されたときのものです。