売らない、というセールス。

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「このまま様子見てもいいんじゃないですか」
シャキッと、髪をポマードで整えた初老の店員が僕の目を見ながら言います。分け目からの髪の流れに、このあいだ亡くなった菅原文太さんを思い出したり。
府中の駅前の眼鏡屋さん。いまは駅前開発の真っ最中で、ガード下の別な仮設店舗で営業中。何分かおきに頭上を行き交う電車のせいでゴトンゴトンと少し揺れてる。「地震じゃないか、ってビックリするお客様もいらっしゃいますが、私はすっかり慣れました」と、そのセールス氏。
いまのメガネを作ったのが3年前。すこし度が変わってきてる? 最近、眼精疲労が強くなった気もするし。ということでそのメガネ屋さんへ。
でもお店で実際に検査してみると、その3年前と視力は大して変わらず。「強いて言えば、右目の近視が強くなった程度でしょうか」と。
で、冒頭の結論になったわけ。
「無理にお客様におすすめすることはありません」
つまり、客に本当に価値のある商品やサービスを届ける、ということなんだろうな。
結局、洗浄やネジの増し締めなど、メンテナンスをしてもらって店を後に。
あのあと、2日経ったけど眼精疲労は減ってる。別に作り直さなくても、メンテナンスだけで良かったわけで。
これが、プロのサービスなのかな、とちょっと感心したり。
「でも、来年になったら、視力が変わってるかもしれませんので、またおいでください」と、そのセールス氏は言ってました。
素直に行こう、と思えちゃいますね。こんなサービスを受けたら。
駅前の開発はあと3年はかかるのだそう。
なので、来年もあのゴトンゴトンの仮店舗に行くんだな。と、駅通路から見える開発の光景を見ながら思ったのでした。

ハロー! ハロウィーン

パンプキンカラーにデコレーションされたベビーカーと、今朝すれ違いました。保育園の一団で、まだよちよち歩きもできない園児を何人か乗せて移動するための柵のある大きなベビーカーが一緒にいたのですが、その柵がかぼちゃとオレンジのテープで彩られていました。

ハロウィーンですね。
今から20年以上も前、90年代の頃です。平日に横浜に遊びに行ったとき、不思議な子どもの集団を見かけたのを今でも憶えています。
魔法使いのようなとんがり帽子を被ったり、マントを着たり、そんな一団がワーッと気勢を上げて、住宅街をあっちにいったりこっちに行ったりしています。
そのときは全くわけが分からなかったのですが、「あれがハロウィーンだったんだ!」と、あとから気付きました。山手の高台、外国人も多く住む一角のことだったので、多分、その子どもも多くいたと思います。今から思うと、あれが「正統派の」ハロウィーンだったのでしょう。
あれから、あっという間に日本中に広まりました。お菓子屋さんやケーキ屋さんはもちろん、雑貨屋さんに行けばデコレーションのグッズや置物がたくさん売られていますし。僕のお客さんの動物病院でも、待合室がかぼちゃのオーナメントで飾り付けられていました。
ちなみに、大学生の子どもが軽音のサークルに入っているのですが、昨日の日曜日、「ハロウィーン・ライブ」をやっていました(笑)
近所の町内会でも、トップ画像のようにハロウィーンでちょっと盛り上がっています。この裏に公園があるので、そこでちょっとした飾り付けや町内会の集まりをやっているようです。提灯の飾り付け、それにタイトルもなんだかかわいらしくて微笑ましい感じです。
夏から秋、体育祭などがあるけれど、クリスマスにはまだちょっと気が早い感じ。でも、何かモチベーションというかフックになるイベントが欲しいな。なんて思ってたところに、ちょうどみんなが、このハロウィーンを“発見”したのだと思います。
オレンジ色のかぼちゃの飾り付けも、かわいくてアイキャッチになりますし。また、そのオレンジ色、紅葉と同系統の色で秋を感じさせます。そんな季節感を感じるところも、日本人の「ツボ」にハマったのかも、とも思ったのでした。

「お約束」のブログアップです(笑)

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「無事に家に帰って、ブログアップするまでが、お約束ですからねー」

12日のいちばん面白かったフレーズ。サーキット走行会でのことです。

サーキットを走りたくて、クルマをSUVからスポーツタイプに替えました。最近はサーキット走行会がいくつも行われていて、気軽に参加できます。普段乗っている自分のクルマでサーキットを走ろうというモノで、費用は一回につき2万円ほど。レースではないので、その分事故はほとんどないのですが、危険なことには違いないので、ヘルメット装着などいくつかお約束はあります。

その最大のお約束が、冒頭だと主催者は言ってました。

クルマに乗る人が減っています。ということは、こういう「遊び」をする人も減っているわけで。レース関係者はかなり危機感を持っています。最大イベントのF1でさえ、鈴鹿サーキットで過去50万人規模の動員を誇ったのに、今は15万人規模にシュリンクしています。

各地のサーキットで開かれている、こうした走行会のような小さなベントから地道にファンを増やすことが、業界全体を持続発展させるための第一歩と位置づけているのだと思います。

この日は無料スイーツビュッフェやヘアスタイリストによるカット&アレンジといった催し物も用意されていました。クルマに乗ってきた本人だけでなく、いっしょに“連れてこられた”奥さんや彼女、子どもたちも楽しめるように、との配慮だそうです。

さらに、こうしたイベントがあること自体をクチコミで広めてね、ということから、「ブログアップまでがお約束」なのだそうです。

というわけで、僕もこのブログを書いているわけです(笑)。

「価値」あるキャンペーン

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なんとも太っ腹なキャンペーン!

iPhone6の新発売キャンペーンとして、世界的アーティストU2のニューアルバムを全世界のiTunesユーザーに無料配布、だそうです。AppleがU2に払った金額は100億円とも。全世界のiTunesユーザーは5億人だそうなので、1人当たりの経費は20円くらい、でしょうか。

金額も規模も話題性も、まさに最大級のキャンペーンです。

iPhoneというか、スマートフォン自体、商品としてはそろそろ成熟期に入っていて、ガジェット好きにとってはこんどのiPhoneは画面サイズ以外、あまり新味がない、という評判もありました。CPUなどハードウェアのスペックでは、ライバルのサムソンには及ばないじゃないか、という“陰口”も聞かれます。

ただ、Appleが以前から一貫して、その製品を通じて提唱しているのは「ユーザーエクスペリエンス」です。パソコンをはじめタブレット、そしてスマートフォンなどどれも、その利用者にとって便利だったり、感動する体験をとどけるためのツール、という位置づけです。

そのために、堅牢でシャットダウンすることないOS、外出先でも長く使えるバッテリー、マニュアルなしでもサクッと使える操作性などが重要視されます。特別な用途でしか使えないような機能やオプション、カタログを飾るためだけのマニアックなハイスペックなどは、たいして重要視されません。

スティーブ・ジョブズが亡くなってからも、Appleのそうしたアイデンティティというかブランディングは維持されていると思います。

今回のU2ニューアルバム無料ダウンロード・キャンペーンも、エクスペリエンスをとどける、というAppleポリシーの一貫なのだと理解できます。単に目立てば良い、印象に残れば良い、といった一般的なキャンペーンとは一線を画しています。こうしたことが、Appleのブランド価値をまたひとつ押し上げるのだと思います。

とはいえ、さすがにAppleにも誤算があって。いくらU2の新譜でも「いらない」という人も5億人の中にはいたようで。急遽、アルバムを削除するアプリ(U2の新譜はユーザー側で削除できない仕様だったので)を作って配布する騒ぎも起きたり。そのことでこのキャンペーンを知ることになった人もいたりして、それはそれでバズる効果もあったり。。。

かくいう僕も5億人のうちの一人で、さっきダウンロードしようとしたのですが、なんだか見つからなくなっちゃいました。さっきからiPhoneをさわりまくって、あっちこっち探しています。これもAppleの戦略なのでしょうか(笑)

※画像はhttp://www.apple.com/jp/U2/より

ニーズは客の心にある?

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「お産トラウマ」があるんだそうです。

お産のとき、産婦人科医から十分な説明を受けなかった、帝王切開などでの傷の痛みがひどかった、また帝王切開で産んだことを周囲から否定的に言われた、など。辛い記憶がそのまま消えず、ひいてはそれが育児にも悪影響をおよぼしている、というのです。

仕事で町のクリニックの先生にインタビューすることがよくあるのですが、臨床の現場は多忙です。忙しすぎます。医師は患者に5分しか接していられない、とよく言われます。厚生労働省が設計する制度に則って利潤を出し、看護師などスタッフの雇用を継続し、医療サービスを提供し続けるために逆算すると、その程度の時間しか対応できないそうです。流れ作業で診療を「大量生産」しないと、事業継続もままならない、というわけです。

産婦人科も例に漏れないと思います。しかも診療の特性上、いつお産が始まるか分かりませんし、始まったとしても分娩時間の見当もつきません。「大量生産」には向かないわけです。

出産って、当事者にとっては人生の一大イベントです。でもお医者さんにとっては、数ある患者さんのうちの一人でしかありません。

しかも最近の人は、小さいうちから大切に育てられています。幼稚園や保育園の学芸会などでも「あなたが主役」と扱われ、大きくなっても商店や各種サービス会社からも、「お客様」として対応されます。

それが、一大イベントのひとつである出産に限って、なんだかぞんざいに扱われてしまう。しかも初体験だし、痛いし、いろんな状況でクレームを付けている間もない。医者と患者、両者のそんなギャップもトラウマを生む原因になっているように思います。

ただ、「満足いく出産をしたい」というニーズがあるなら、そのためのサービス提供を考えればいいのでは、とも思ったのでした。苦労してわが子を産んだばかりの新米ママさんを癒し、励ますようなサービス。そのためのコストを料金に上乗せすることで、クリニック経営の「足し」にできそうな気もします。法制上の制約はいろいろありそうですが。

昔から継続してきた事業も、時代の変化とともにニーズが変わっています。自分の事業の言い訳ばかり考えてないで、客のニーズを探してみる。そのことで儲かりにくくなった事業でも、それを改善するための策はありそうだよね。などと自戒も込めて思ったのでした。

※画像はhttp://www1.nhk.or.jp/asaichi/より

世界企画

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フォーミュラEというカテゴリのカーレースが始まりました。ざっくり言うと、F1の電気自動車版です。

F1などのモータースポーツを統括しているFIAの公認競技なので、こういう言い方はヘンですが、きちんとしたレース。F1で戦っていた鈴木亜久里さんのチームをはじめ、アメリカ、ドイツ、フランス、イギリスなどのレーシングチームが参戦しています。ドライバーの顔ぶれも、日本から佐藤琢磨選手をはじめ、F1経験者がずらり。

また、全10戦、すべてストリートコース、つまり街中の公道で戦われることも特徴のひとつとなっています。初戦は北京、オリンピックでよく見た「鳥の巣」のスタジアムのまわりを周回するコースが設定されています。今後、アメリカや南米、ヨーロッパの各国を転戦するようです。

どんなものか、ちょっと興味があったのでテレビ中継を見たのですが、F1似のマシンがほとんど音もなく通り過ぎていきます。そのスピードも、F1を見慣れた者としては、はっきり言って大したことない。スピードも音も、迫力がないんですよ。

近年のエコロジー意識の高まりで、電気自動車など代替エネルギーのビークルに期待が高まっています。F1のように石油資源を消費して二酸化炭素を出す、これまでのレースになかなかスポンサーが集まらなくなっています。それだったら、エコロジーな電気自動車のイベントなら、スポンサーになったり、あるいは技術開発の一環として協賛する企業も出てきそうです。

さてさて、この新しいカテゴリのスポーツ、世界で定着するのでしょうか?

※画像はhttp://www.tv-asahi.co.jp/formulae/より

※0916追記:これを中継した民放地上波の放送は、ゴールまで時間ないに放送できなかったそうですね。予選しかチェックしてなかったので知りませんでした。新イベントのスタートらしい、ゴタゴタした状況だと思いました。

残暑おでん

おでんが出ていました、コンビニに。そろそろ夏の終わりとはいえ、まだ8月なのに、です。

「コンビニにおでんがある」ということを、来店したお客さんに周知するために早めに出している。と、どこかで聞いた記憶があります。

それに今年は雨が多かったり、気温が低めで、売上げもきっと低調だったはずです。そんなマイナスを取り戻すために、早めに秋・冬商戦に切り替えているのかも知れません。また、ライバルとの関係で、負けていられない、という事情もあると思います。

ま、広告宣伝の一貫なのでしょう。とはいえ、まだまだおでんが食べたい季節ではありません。きっと売れ残りも発生しているはずです。そんなロスも、広告宣伝コストとして割り切っているはずです。

おでんで思い出しましたが、以前担当していたランドセルの仕事でも、同様なことがありました。

ランドセルといえば、以前は商戦といえば年末年始あたりから。それを、少しでも早くから「刈り取ろう」と、お盆で実家に帰省したチャンスを狙って商戦を張りました。

お盆で帰省した孫に、おじいちゃんおばあちゃんがランドセルを買ってあげるというストーリーです。

小学校入学は、家族の一大イベント。その象徴的な商品がランドセルです。それを、祖父母が孫のために選んで、買ってあげる。今は色やカタチがいろいろありますから、その中から孫と話し合って、気に入ったひとつを選んで。おじいちゃんおばあちゃんは、孫が喜ぶことをしてあげられた満足感が味わえます。また、孫の親(祖父母の子ども)にとっても経済的にうれしいし。また、孫自身も帰省中のいい思い出になって、幼稚園の宿題の絵日記に描いたりするのではないでしょうか。

実際、先日のお盆期間中のニュース番組で、そんな光景を映して放送していました。お盆にランドセルは、もはや一般的になったのかも知れません。

みんなに「win」のストーリーがあると定着しますね。ランドセルのように。

その一方で、おでんはどうなんだろう? と、ちょっと懐疑的になったりも。こっちの方は、提供側(コンビニ)の都合の方が先走ってないかな、という気がしています。

※トップ画像はhttp://www.circleksunkus.jp/product/oden/index.htmlより

「離れ」な人たちはどこへ?

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若い人の「海離れ」が進んでいるという調査結果がありました。

日焼けするのがイヤだし、体形が気になるので水着になりたくない、といった理由から、311で海が怖くなった、という声もあったそう。

年代でいうと10代、特に女性の海嫌いが多い。いまの時代、ファッションからお酒まで、女性に嫌われるとダメなので、この点はちょっと痛いかな。

うちには2人子供がいるけれど、どっちもプール派。海は砂がじゃりじゃりして、イヤだと。それに対して近所の紅葉丘プールのような市営や市民プール、立川の昭和記念公園、さらにサマーランドまで、TPO(もはや死語の香り?)に合わせていろいろ選べてすぐ行ける。そんな気分も、海離れに拍車をかけているのかもしれないか、と。

ちなみにうちの子ども、今年の夏は「プールの予定があるけど、海はない」だって。ここでも海離れ?(笑)

クルマ離れとか、お酒離れとか、本離れとか、いろんな「モノ離れ」がいわれています。これらは「人生の必修科目」みたいにいわれ、昔ながらの人たちにとっては定番のものたちです。

その一方で、コミケとか、フェスとか、アイドルとかのシーンが賑わってます。ホント、熱いです。どれも最近のもので、昔はカゲもカタチもありませんでした。旧来の「ブーム」から離れたり、もとから行かなかった人たちの中で、こっちに移っている人も多いのではないか、と思うわけです。

昔ながらの限られた視野しか持っていないマスコミからすると「離れ」ているように見えているかもしれないけれど。でも、もっと俯瞰してみると「移っている」のではないでしょうか。

それが「変化」ってモノじゃないでしょうか。