タダほど○○なモノはない

「それでは、テレビの方々はこれからも、ためになって面白いバラエティ番組を作りつづけてください」

と、これはラジオ、ニュース放送でのDJのコメント。凄いこと言うなー、と感心して聞いてました。
錦織選手の活躍で一躍話題になった全米オープンテニスは、有料放送WOWOWの独占放送、地上波では見られないことが少し問題となりました。
そのような状況に、ある地上波局の関係者が「試合時間が定まらないため、放送の時間枠を抑えるのが難しい。しかも日本人が活躍しないと視聴率が上がらないのでばくちになる。だからスポンサー集めも難しい」と話した、というニュース原稿の後、一拍置いて、ラジオのDJが皮肉たっぷりに冒頭のコメントを言ったのでした。
スポンサーからお金が集められないから放映できない、なんて寂しい回答だな、と僕も思いました。
昔々の野球中継、日本シリーズだったか大きなゲームで、ゲームが白熱して放送時間枠が足りなくなったとき、テレビ局の人がスポンサーに電話をかけまくって時間延長を了承してもらって放送をしたことがありました。そんなことはもはやメルヘン、おとぎ話の世界なんでしょう。
同時に、スポンサーからお金を集めて無料放送を行なう、地上波テレビの限界も感じました。
いまのビジネスモデルでは、世の中の最大公約数をめざして番組を作るしかありません。でないと、まとまった「数字」が取れないからです。それに、放送時間などリスクのある番組もNGです。テニスのように。
タダより、安いものはない。確かにそうなのですが、
タダほど、どうでもいいモノはない。という状況になっているように思います。
水と空気はタダ、といわれたこの国で、水はすっかり買うことが当たり前になりました。安全、安心や健康という価値を手に入れるために、やっぱりお金を払って買わないとね、という気分が定着したのだと思います。
同じように情報やコンテンツも、それが自分にとって価値があるなら、きちんとお金を払って手に入れる。そんな時期になっている気がします。
実際、多チャンネル化でいろんな番組が見られるようになっているわけですし。