どうしちゃったの? ルミネ。
「働く女性たちを応援するスペシャルムービー」と題されたムービーが酷評されて炎上してしまった。
この人も言ってるけど、ルミネのポスターはとても良いんだ。
キラキラした蜷川実花さんの写真と、女性目線に徹した尾形真理子さんのコピーで、オジサンの僕でさえ「なるほど」「そうだよね」って思わせてくれるポスターが、何度でも言うけど、良いんだよ。
ちなみに、ポスターのシリーズは、これ。
問題になったムービーはもはやYouTubeから消されて見られないけど、魚拓で残ってるのを見たら、明らかに尾形さんの仕事じゃないよね。
何しろ、タイトルとは裏腹に、まったく女子を応援してない。そこにあるのは、魚拓のムービーを見る限り「男ウケのするかわいい服をルミネで買って変わろう」という、商魂モロ見えのメッセージ。そこに、みんな吐き気を催したんだと思う。
ルミネは、一体何がしたかったんだろう?
ネット用のムービーとはいえ、これだけ役者を揃えてロケとかもやって、しかもシリーズで制作したら、すぐに1千万円くらいはかかっちゃうのに。
ここからは僕の勝手な想像だけど。
尾形さんの広告は確かに素敵。
だけど、共感という「空気」を作り出すタイプの広告なので、商品を買うというダイレクトな「アクション」にはどうしても結びつきにくい。
ファンは作るけど、売上げはちょっと、という広告(でも、そのファンがいつかは買ってくれるんだけどね)。
一方、いま世の中で主流なのは、売上げに直結するネット広告。
そこで、ルミネもムービーにあったように「変わらなきゃ」とばかりに、『セールスに貢献する広告』を目指してスタッフを変えて、従来路線とはちょっと違う広告作りにトライしたのかな、と。
相手にアクションを起こさせるには、相手の痛いトコロを突くのが常道。そう考えると同僚の男役の「需要が違う」というセリフもなんだか納得できたり。
とはいえ。
「だから服を買おう」なんて、このムービーを見て思えないわけで。オジサンの僕が思えないんだから、ターゲットの女子たちは、僕の何倍もそう思ったんじゃないか。
事実、炎上してしまったわけだし。
それに。
せっかく尾形さんのポスターで地道に積み上げてきたブランドイメージが、一瞬にして壊れちゃった。何せ、彼女のポスターとは真逆のスタンスの広告だから。今回のムービーは。
僕みたいに「どうしちゃったの?」ぐらいですめばいいけど、気持ち的に離れて行っちゃったり、アンチになってしまったり、そんな顧客を作ってしまったら最悪だよな、とも思ったり。