アップルウォッチで、これからどんな戦略が始まるのか、始まらないのか。ちょっと楽しみ

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なんか、カッコいい音楽プレーヤーが出たな、と思ったのでした。iPodのことです。

アクリルとポリッシュ仕上げのステンレスで仕上げたデザインが未来的。ホイール状の操作系も斬新。
だけど、真四角で持ちにくそうだし、ポリッシュはキズが付きやすそうでちょっとなぁ、、、というのが最初の印象でした。

なんだか新しいガジェットが出てきたな、という感じ。
iTunesがリリースされてPCと連携して使う、というのは目新しかったけど。
基本的にはモノ単体でしか見てなかったんですね。

それがそれが!
その後、iTunes MusicStoreが出てきて、ダウンロードで買えるようになって、あれよあれよというまに音楽ソフトの流通システムをイノベーションしてしまった。

本丸は、実はそこ。
CDとかメディアでやり取りされていた流通を、ネット経由に変えてしまう。デジタルによる流通の大変革。その壮大なイノベーションが、ジョブズの本来の目的なんだ、とあとから気付かされるわけです。主役はこっち。
アクリルとステンポリッシュのiPodは、単に末端の道具でしかなかったわけ。

これが戦略っていうものだなぁ、と思ったのでした。

そこに気付かない評論家たちは、相変わらず「クリックホイールの操作性がー!」なんて重箱のスミをつついてたり。

またメーカー側も、CDから直接音楽プレーヤーにコピーできるミニコンポ、なんてピントのずれた商品を出していたり。

さすがに音楽制作の会社はピリピリしていて、MusicStoreを全拒否してたけど。

iPodで始まってiPhoneで定着したネット化、デジタル化は、音楽ソフトやアプリ、書籍や映像などエンターテインメント全般に広がったし、さらにSNSの隆盛などとも合わせて世の中をがらっと変えてしまった。

で、このあいだ発売されて、直後に完売して、話題になったAppleWatchなんですが。

例によって、あれをモノ単体でしか見てない人が多くて、あのデザインがー!バッテリの持ちがー!!とかいろいろ言われてますが。
iPodだって初代の頃はカンペキでなかったわけで、そんなちっちゃいことなんか、どうでもいいと思う。

先行して発売された、サムソンなどの商品は単なるネットウォッチでしかなかったわけで。あんなのが売れるわけはないと思ってました。

AppleWatchにはどんな戦略が隠されていないのか、あるいは先行商品と同じように単なるガジェットでしかないのか。

Webページにもあるように、「その時がやってくる」のか?
これからの展開に、ちょっとワクワク。

近ごろの「未来」はちっともワクワクしない。進化って、なんだっけ?

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テクノロジーによるファッショだよ、「違法」だなんて。暴力ですらある。

「全自動運転カー以外の車両が違法になる未来が来る」とテスラのマスクCEOが語る』という記事を読んだのだけど、ちっともワクワクしない。共感すらしない。

テスラCEOは、まあ、技術者として当たり前のことを言ってる。テクノロジー最優先の人がいかにも考えそうな、理路整然として効率的な未来像。
しかし、そこに人間の感情とか、感性とか、感動とか、そういう「感」にまつわるようなことは一切考慮されてない。排除されてるといってもいい。

だって、さ。
自動車という乗り物はバイクと並んで、移動手段であると同時にエモーショナルな乗り物でもあるわけ。
加速感が気分いいとか、ハンドル握るのが気分転換になるとか、眠れない夜とかにぶらっとその辺を走ってくるとか、そんな付き合い方もあるわけじゃないですか。何も、A地点からB地点への移動だけに使うわけじゃない。

テスラCEOの考えでは、そういったエモーショナルな要素は一切排除。これからの「全自動運転カー」は他車と協調して、理路整然と移動する道具になる、と。その方が安全性もエネルギー効率も一段と高められる、そうだ。

確かに、ミスばっかりする人間よりも、機械の方がだんぜん正確。大勢の命を預かる旅客機などは、全自動操縦がメインの考え方だし。

そんな世界が、僕ら個人で利用するクルマにも広がろうとしているわけだ。ふらっとどこかに行きたいなと思っても、クルマに「ドコニイキマスカ」って聞かれちゃうんだよね。
で、あっちの道って走ったことないから行ってみようかと思っても「ソチラノミチハ・トオマワリニナリマス」とか、拒否られることもあるんだよねぇ。。。

それって僕から見れば、ファシズムでしかない。テクノロジー独裁主義。
それに路上を走るすべてのビークルが自動運転になったら、そうしたら、もはや個人で持つ必要はなくなるでしょ。
流しのタクシーを捕まえるみたいに、空いているビークルをスマホか何かで呼んで、目的の場所に行って、着いたらそこで乗り捨て。そうしたら次の人がまた乗ればいい。道路交通全体主義。
個人の所有から社会全体の共有へ。ほら、ファシズムだ(笑)。

そうなったら、「ふらっとどこかに」などと、自分のアタマで考えたりカラダで感じたりするままに動くような人には、つらい世界になるよね。

そうじゃなく、自分から考えたり動いたりもせず、社会の流れに身を任せる。そんな生き方の方がいい感じになってきそう。そうすると、いまの「草食系」と呼ばれる若い人なんか、超未来的な生き方なのかも知れないな、などとも思ったり。

その一方で、なにかと「ふらっと」しがちな人間の気分を満足させるために、プロジェクションマッピングがもっと進んだような高度な技術を使って、「気分転換バーチャルリアリティ」みたいのを考える人がきっと出てくるよ。笑いゴトだけど、笑いゴトじゃないよなぁ。

リンク先のページにはAI(人工知能)の話題とかも。
このあいだ読んだ別のニュースでは、AIは技術が進んできて高度な判断ができるようになったけど、その反面、悪用されると取り返しが付かないことになる、と。映画「ターミネーター」で未来の社会は人工知能に制圧されていたけど、最悪の場合、ああいう世界がやってくるかも、ということだよね。

最近ではアップルウォッチも発表になったけど、ときめかなかった。

ホント、最近の「未来」って、ワクワクしない。
子供のころ、学校の授業で絵を描いた「21世紀」はもっとピカピカしてたのに(笑)。
むしろ、ISILみたいな社会情勢もあわせて考えると、閉塞感さえある。

「進化」って、どういうことだったっけ?

※画像はリンク先より