時代が変われば、時間も変わる?

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那須・茶臼岳はきれいに晴れてとてもいい眺めでした。先の週末に行った山行のことです。

ロープウェイで一気に高度を上げると、ごつごつとした岩だらけの景観が広がります。急な傾斜を1時間ほど上りつめると、写真のように神社を祀った山頂に到着。雲がふもとから駆け上がってくる、と思ったら山からの噴煙でした。よく見るとあちこちから白い蒸気が吹き上がり、「シューシュー」という音も聞こえてきます。どうりで、木が生えていないわけです。繁っているのは低木か草ていど。那須というと別荘地の上品なイメージですが、それとは正反対の荒々しい光景が、とっても印象的でした。

山では、現地の看板やガイドブックの地図を見ながら行動するわけですが、この周辺は国立公園に指定されているせいか、とてもよく整備されていました。

大きな地図看板のほか、ハイキングルートには要所要所に行先や要所への距離が、分岐地には必ず行先案内があります。

しかし問題なのは、その所要時間。どう考えても短すぎるところがあるのです。当日、実際に歩いたルートで、現地の看板やガイドブックには「30分」とありました。しかし実際に歩いてみると、何と1時間30分。実に3倍です。

途中で珍しい景色や植物があって何度も立ち止まって写真を撮ったり、そもそも、おじさんばかりのグループだったので歩くのが遅かったり、そんな事情はあるにしても、3倍は時間がかかりすぎです。

「なかなか着かないよね」と言いながら歩いていたら、ハイキングルートとその所要時間を記した大きな地図看板があって、それを見たらマジックで所要時間が修正されていました。

僕らが歩いてきたルートは、30分から50分へ。それでも僕らのペースよりはかなり速いのですが。そして、これから歩くルートは20分から25分へ。修正のしかたが雑だったので、もしかしたら、僕らのようなおじさんかおばさんが「実際はこのくらいだよ」という感じで手を入れたのかもしれません。

所要時間を計ったのは、多分、ずいぶん昔のことだろうと思います。その頃はみんな若くて、けっこう速いペースで歩けたでしょう。

でも今は、高齢化の時代。そのペースではなかなか歩けません。実際、この日も他のおじさんやおばさんたちから「表示の時間が違いすぎる」と不満が上がっていました。この山だけでなく、他の山でも同様です。でも、この日のように3倍も違う、ということはなかったですが。

なので最近では、表示されている時間の1.2倍、急な上り坂だと2倍くらいは余裕を見て計算しています。昔の所要時間ではとてもじゃないけど、おじさんは歩けません(笑)。

最近の登山雑誌やガイドブックでは、高齢者と若い人で所要時間を分けて表示しているモノもあるそうです。時間を見誤ると、予定の時間までに目的地に着けなくなり、遭難しかねません。けっこう大事な問題です。

ハイキングの所要時間なんてちっぽけなことだけど、こんなところにも「高齢化社会」を感じた週末でした。

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