「この言い方はダメよ」と言われることがあります。
コピーの表現で、紛らわしかったりして誤解を与える言い方です。
医薬品やそれに関連した商品などは「効果がある」「薬が効く」といった言い方は、薬事法などとも関係した規定があります。なので、そうしたレギュレーションに精通した専門のコピーライターがいます(僕はそうじゃないです)。
その他に業界で表現を自主規制している場合もあり、有名な例では、オロナミンCがあります。あのCMでは、登場人物が困難を克服してから商品をぐいっと飲み干しています。最初に飲んでしまうと、超パワーが得られるドリンク、といった誤解を与える可能性があるのだそうです。
同じような商品にレッドブルがありますが、以前はCMのアタマに商品を飲んでいました。でも最近見たバージョンはオロナミンCと同様の構成に変えられていました。これも、日本の表現規制に準じた構成になっているものと思われます。
僕の仕事で多いのは事務機や家電ですが、そこでも規制はあります。
例えば「地球にやさしい」という、ボンヤリとした言い方はかなり前からNGになっています。環境負荷が低いのであれば、エネルギー消費なのか、資源リサイクルなのか分野をはっきりさせて、その程度や効果を数字で具体的に示すように書くのが標準です。
同じように、「最高」であればどんなデータや事実に基づいているのか説明しなければいけませんし、「さらに50%アップ」というのであれば何に対してアップしたのか、その比較の対象を記さないといけません。コピーや見出しの回りにいちいち「※」などで注記が加えられているのは、そういった理由からです。
で、昨日のこと。8月に終わったと思っていたカタログの仕事で修正がきました。コピー表現の問題で、それを修正したいとのことでした。言い方が、新たに修正の対象になったようです。
そんなふうに、僕らも一定の基準というかワクの中で仕事しているわけです。
ただ、「やってはいけない」と言われると、そうではなく、違った言い方や見せ方に知恵を絞ることもあって。ちょっとしたことなのですが、それもこの仕事の面白さだと思っています。
※画像はhttp://properlab.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/7-8054.htmlより