なでしこと、地デジと、アナログ放送。

前回大会の決勝、あれは7月の明け方だった。

家の窓から見たら、隣の家とかあちこちの窓に電気がついてた。うちも同じ。夏とはいえ早朝だったので、窓を開けてテレビで観戦していた。

1−2で負けていた延長後半12分、コーナーキック。

宮間選手が蹴ろうとした、その瞬間、

「きゃー!」「ぅおっしゃぁぁぁ!!」

歓声が隣のアパートから、開けた窓越しに聞こえてきた。
うちのテレビは地デジ、アパートのテレビは当時まだやっていたアナログ放送だったんだと思う。

地デジはデジタルの電波を処理するためにほんのちょっと時間がかかるので、アナログよりわずかに遅れて映る。
なのでその分、ちょっとだけ早く、隣のアパートに歓喜が訪れた、というわけ。

その歓声を聞いた瞬間、僕は「入ったんだ」と思った。
あれほど冷静に見ることができた得点は、なかったんじゃないか。

そりゃ嬉しかったけど、でも、ネタバレ気分。
こっちは、お金払って地デジにしたのになんだよー、なんて八つ当たりしたりして。

あれから4年たって、いまは地デジだけになったので、喜ぶ瞬間はみんな一緒。
喜べるかな? 喜びたいね!

画像はhttp://sportiva.shueisha.co.jp/clm/jfootball/2011/08/04/t___split____18/index3.phpより