便利さと楽しさは、相反するのか。[ iPhone8に機種変した。移行のやりかたなども]

iPhoneをアクティベートしていくプロセスで、「クイックスタート」という画面が表示される。
その画面のとき、隣に古いiPhone(iOS11以上マスト)を置いて画面の指示通りにホームボタンを押すと、なんと!
古いiPhoneから新しいiPhoneへ、データや設定を移してくれる。ひさびさの作業だったので、知らなかった。あまりの手軽さにビックリ。

アプリの種類から画面への配列、撮った写真、音楽などの各データはもちろん、メールアドレス、アプリ内の各種設定なども全部。
データ移行のときに一度画面が消える。で、その3分後くらいにすぐに画面復帰。

見ると、アドレスデータなど当初使うのに必要なデータが移行されている。
電話したり、メール確認ぐらいなら、もうできる。
ラインは移行前にアプリ上で「アカウント引き継ぎ設定」をしておいたおかげもあるのか、パスワード入力したらすぐに使えるようになった。

画面上のアプリ配置は前から使っていたそのままなので、戸惑いがない。
Facebookなど、ログインが必要なアプリやウェブサイトは、iCloudのキーチェーンが憶えてくれていて勝手に入力してくれる。入力欄にIDが表示されない場合は、キーボード入力画面の変換候補の欄に、IDの候補が表示されているので、それをタップすればいい。

なんだ、簡単。

容量の大きなアプリや画像、音楽などのデータはこれからゆっくりダウンロードされていくようだ。実際、多数のアプリの色が半調になっていて、アクティブにはなっていない。
僕の場合、画像が約7,000枚あったので、これをダウンロードするのに二晩かかった。これもiPhoneが勝手にやってくれた。

基本、データはiCloudに同期してあるものをダウンロードしている。Macは近くにいるMacデバイスを検知するAirMacという機能があるので、それを使って新旧iPhoneどうしを認証、ペアリングさせているんだと思う。

便利になったもんだ。
iPhoneだけでなく、Macも移行が簡単になった。最近、MacBookも買い替えたのだけど、ついにWi-Fiで(ということは無駄にケーブルを買わずとも)データ移行できるようになっていた。

ただね。楽しくないんだ。
せっかくiPhoneが新しくなったのに。

一番最初に買った3GSや、それを4Sに換えたときとか、持って眺めて触って、電源入れてあちこちタップして、ビックリしたり感心したりしてたんだけど、ああいう楽しみが「8」にもなると、薄くなってしまって。

考えればiPhoneもかれこれ4台目。ウィキペディアを見ると、「iPhone」と名のつく機種は全部で13台も出ている。

ニューモデル発表ごとに、昔は「おー!」とビックリするネタがあった。新潟・燕三条で磨き上げられたピカピカの筐体とか、内蔵センサを使ったシミュレーターとかVRのアプリとか。

でも、発表を重ねていくうちにそんな新ネタも出尽くしてきた感じ。ネタ涸れ。新技術なんて、そうそう出てくるわけでもないので、これは仕方ないことだな。

とはいうものの、ここまで暮らしとか仕事にしっかり入り込まれちゃったら、買い替えないわけにはいかなくなって。
僕の場合、Lineなどのアプリ起動やウェブページの表示に時間がかかるようになったことが仕事先で特にネックになってた。
どうもこれはAppleの意図的な要素もあったらしいけど。

それやこれやで、新しいモノにワクワクしながら機種変した、というよりは、ほとんど義務感。
ちょうど、運送屋さんがトラックを定期的に入れ替える、みたいな。
(最近のトラックは衝突安全とか快適性の向上がすごいから、こっちの“機種変”の方がワクワクするかもしれないw)

そんな気持ちで機種変したせいもあって、どちらかというと便利さが目に付いた。
前モデルの使用感がそのまま新機種にも、時間や手間をかけずに移行できた、という点で。
楽しさは減ったけど、便利さは高まった。本当は楽しくて便利、が大好きだけど、いくらiPhoneとはいえ、難しいんだろうな。

ひとことで言うなら、
革新的だった製品がだんだんコモディティ化するプロセスを体験している、

そんな、コモディティな日。

むかし使ってたiPhone4S。まだ手元にある