サランラップとクレラップといえば、食品用包装フィルムの2大ブランド。でも、どちらかというとサランラップの方がイメージ的には上かな。言ってみればメルセデスベンツ的な存在(笑)。
それに比べると、クレラップはすこし劣勢な感じ? ちゃんとしたメーカーなんだけど、ブランドのイメージはサランラップには及ばないかなぁ。何となくそんなボンヤリとしたイメージを持っていたのだけれど。
それが逆転しているような光景を、今日、いつも行っているスーパーの陳列棚で目撃したんだ。
サランラップが、93円の値段で安売りされていた。その隣に並んでる
クレラップの値付けは、135円。
40円以上も差をつけて、クレラップが高く売られている。
ブランドイメージが良いと思っていたサランラップが安く売られ、
あまり良くないんじゃ?と思っていたクレラップが高く売られている。
“業界のメルセデスベンツ”が、スーパー店頭で安売りされていたわけですよ。こんなことは僕のいままでの感覚ではありえなかったわけで。
ホント?値札置く場所、間違ってない??と二度見してしまった。
ただ、こんなことも言えると思う。
お金を余計に出してまで価値があるのは、いまはクレラップ。
商品の価値で言うと、サランラップよりクレラップの方が上になった。
サランラップはその逆で、相対的に価値が感じられないから、
その分値段を落とさないと消費者が買ってくれなくなっている、ともいえそう。
消費者が認める価値が高いほど、高い値段で売れるからね。
ルイヴィトンからフェラーリ、ロレックスまでみんなそう。その潮流にクレラップも加わったのか?(異論ある人もいるかもしれないけど:笑)
実際、ここ数年、クレラップは努力してきた。
いくつものユーザーメリットを商品に加えて、それをしっかり広告でアピールしてきた。
食品用包装フィルムだなんて地味な商品に、これだけの付加価値を付けるなんて、とても大変な作業だったろうと思う。
そして、その付加価値のすべてが使いやすさ=生活者目線で徹底されている。
ラップするときにフィルムがくっついたり、切れにくかったり、それでイライラを感じなくてもサッとラップできる。
ただそれだけなのだけど、使う側にとってはうれしい。価値があることだ。
数十円の差だったら、こっちを買おうかな、と思ってしまっても不思議じゃない。
そんな最近の企業努力と、それによるユーザー心理の変化が、店頭での値付けを動かしたのかもしれない。
あるいは、企業努力=商品力向上を背景にクレラップ陣営が強気の値付けをしている(スーパーの値段交渉に応じない)かもしれないけれど。
それはそれで、企業努力を価格に反映させるという、スジが通っている商品戦略なので僕は共感できる。
その一方で、クレラップの商品力を高める攻勢にサランラップは価格で対抗してきた、という見方もできる。商品力で対抗できないなら、値段で勝負! という戦法。
しかし、陳列棚で商品が少なかった=売れていたように見えたのはサランラップの方。クレラップはまだ山積み状態だった。やっぱり主婦は値段が命なんしょうね。
この勝負の行方はいかに!?
価格と商品価値、企業努力、それによる市場の評価。
いつも行くスーパーで、今日はいろんな発見がありましたね。
(おまけ)
ちなみに最近のクレラップCM
ずっと続いているおかっぱ姉妹に、前髪パッツンの三戸なつめも加わったりして、ちょっと予算が増えている感じ。販売が好調な様子をうかがわせる。
それに対して、サランラップCM
クレラップのおかっぱ姉妹に対抗したのか、クマのキャラクターが登場している。ただ、トップ企業にありがちな“お行儀の良い感じ”で、パンチに欠ける印象。