新しいVAIOを見て、いまはなきKUROを思い出した

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ソニーに切り捨てられた『VAIO』の初PC“Z”、本当の評価

この記事を読んで、「KURO」を思い出した。2007年にパイオニアが売り出したプラズマハイビジョンテレビだ。

KUROは、Wikipediaのこのページにもあるように、パイオニアが社運をかけて開発・発売した当時としては画期的な高画質のプラズマテレビだった。実際、店頭でその画質を見て、あまりにもキレイで自然な感じだったので、つい買ってしまったほど!!

液晶にありがちなジラジラとした動画のいやな感じが全くなく(プラズマなので当たり前だけど)、動きの速いスポーツ番組などもくっきりと見られる。音響メーカーの製品らしく、実は音がとても聞きやすくて鮮明で、ホラー映画などは映像と音の相乗効果で、ビックリ・ビビりまくり!

各部の作りや全体的なデザインも、当時の他社よりかなり抜きん出た存在で、クオリティ高かったし。

当時最先端の技術やら素材やら魂やら情熱やらをか注ぎ込んで作られたおかげで、かなり高価(50インチで50万円!液晶だったらその半額でも買えた)だった。だけど、買ってから8年たったいまでもけっこう満足して楽しんでいる。買ってよかった、って今でも思ってる。

そんなKUROがあるせいか、VAIOがダブって見えるんだ。

日本の、こだわりのモノづくり、
最先端の技術や品質、
すみずみまで徹底した作り込み、
最先端、高級化、あこがれ、
ごく一握りの人のための「ホンモノ」、

キーワードを並べると、ざっとこんな感じだろうか。
KUROにも、VAIOにも共通していると思う。

ちなみにKUROは、上に並べたキーワードを包含するようなマーケットを作ろうとしたけど、結局できず。さらに2008年のリーマンショックでパイオニアはプラズマ事業から撤退。エンジニアたちはパナソニックに移って技術開発を続けたけれど、その後はみんなの知るとおり。

その理由を考えると、次のようなキーワードが並べられるんじゃないだろうか。

コモディティ化、
性能よりプライス、
ハッキリした数値でないとユーザーから歓迎されない商品特長、
感性評価は受け入れてくれない、
技術的な競争力より、価格競争力、
海外メーカーとのコスト戦争、
一貫生産より、アッセンブル生産、

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要は、途上国のメーカーでもアッセンブルで
簡単に低コストに作れるようになったジャンルの製品に、
いくらメイドインジャパンの技術やらこだわりをつぎ込んでも、
もはやマーケットは価値を認めてくれないんじゃないか。
そういう時代になっちゃったんじゃないの? と思うんだけど。

数年前、パイオニアがKUROで経験した領域に、いまVAIOが踏み込んでいく。そんな、僕にはデジャブな光景に見えるんだ。

※画像はhttp://www.gizmodo.jp/2009/05/kuro7.htmlより

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