最後は、歯を食いしばって見てました。なんだか、こちらに向けて実弾を次々と撃ち込まれているようで。
特に、4台の10式戦車が同時に実弾を発射する光景は鮮烈でした。鋭く、ものすごい轟音。何かを引き裂くような、すべてを覆すような。同時に押し寄せる音の衝撃波。頬や腕など、無防備に露出した部分に衝撃を伝えます。そんな実弾が、世界遺産、富士山のふもとの演習場に何発も撃ち込まれていきました。
陸上自衛隊の「そうかえん」を見てきました。
自衛隊の装備が、実際に実弾射撃をしながら、演習を行います。
「痛い、なんて感じることなく死んじゃうんじゃないか」
「死体なんて、一瞬で見分けつかなくなるくらいバラバラになるよ」
僕たちを含め、そんな感想を話し合っている人がたくさんいました。また、そんなことを思わずにいられない、圧倒的な武器の数々でした。
後半の演習は、「島嶼部に対する攻撃への対応」という設定。いまを反映して、ものすごく実践的です。国としては、とても切実な問題ともいえます。
集団的自衛権で、憲法解釈が問題になっています。テレビやネット、新聞で論議され、僕も頭の中ではいろいろ考えていたつもりでした。
戦争とは、どんなことなのか。また、国や生活をも守ると言うことは? 自分の生活が戦争に巻き込まれたら。子どもたちが戦争に行くことになったら・・・
そんな“頭中の空論?”を、木っ端みじんに吹き飛ばすほどの衝撃がありました。演習とはいえ、これが現実(それもほんの一端だけど)なのだと思いました。
実際に見てみて、本当に良かった。帰ってきたばかりの今は、それだけ言うのが精一杯です。