「右に競馬場、左にビール工場って唄ってる、あのあたりです。」
どこにお住まいですか、と聞かれてよくこんな返事をしています。言わずと知れた、松任谷由実の「中央フリーウェイ」の一節。実際には、僕の家は中央自動車道よりは少し離れているけど、都心からの距離感はあんな感じです。
ツカミは抜群、ああ、あの辺ですか、って会話が成り立っていました。・・・ちょっと前までは。
この前、「どこですか、そこ?」と怪訝な顔をされてしまいました。相手は、アラサーと思える初対面の方でした。
聞けば、ユーミンはの曲はあまり聞いたことがない。なんだかおばさんの歌手というイメージなのだそうで。もっぱらミスチルとか、B’zとか、そのへんを聞いているそうです。
なるほどなるほど。ああ、こうして時代が動いていくんだなぁ、と思ってしまいました。少し大げさだけど。
ユーミンといえば、サザンなどと並んで、僕らの世代にとっては必修科目ようなもの。時代が流れて、次の世代のアーティストが文化というかマーケットの中心にきた感じです。
僕らの世代が、石原裕次郎や美空ひばりをちょっと前の人と思っている、それと同じことが繰り返されているわけです。
でも、ですね。
うちの子どもたちは、ユーミンを唄います。中島みゆきとか、スピッツとか、ビートルズも。親の僕たちがよく聞いていたせいで、子どもたちに“伝染”していったのですね。中島みゆきなどは、親子でライブに行ったりもしています。
競馬場とビール工場のくだりも、世代をひとつ飛ばして、僕らの子どもたちの世代に受け継がれていくのでしょうか?