思うツボにはまった! ガリガリ君の値上げゴメンナサイCM

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ガリガリ君って、実は自分の生まれたエリアが発祥の会社で、昔は近所に工場なんかもあって、子供のころから親しんでたアイス屋さん。かき氷をカップに詰めた「赤城しぐれ」で育った(笑)。あれはおいしいよ。
田舎のアイス屋さんがガリガリ君をはじめヒット商品を得て全国区になった。赤城乳業って、そういう会社。

そのガリガリ君、ウィキペディアによれば1981年の発売、2013年は4億8,000万本を作ったっていうから、日本国内だけならひとり4本くらいは食べてる計算になる。僕は2本くらいだったと思うので、食べてる人はものすごい本数食べてる??。

そんな人気アイスが値上げされました。25年ぶりに10円。僕ら大人だと、“たった10円”って思いがちだけど、おこづかい握りしめて近所の駄菓子屋さんとかで買ってる(僕がそうだった)小学生には、きっと大問題だろうな。これまで買えてたお気に入りのガリガリ君が、10円の違いで今日から買えなくなるなんて!!

客のそういう切実さを、この会社はきっと分かってるんだと思う。
10円の値上げにわざわざ「ゴメンナサイCM」を作って、しかもゴールデンタイムに流していた。

CMは工場の正面玄関とおぼしき場所で、社長をはじめ主立った社員がずらり登場する「イナバの物置き」方式のローコスト制作。そんな慎ましいシーンづくりからも、「ゴメンナサイ」の気持ちがひしひしと伝わってくる。
BGMは高田渡の曲らしいんだけど、高田さんは僕より上の世代の人なので、いまいちピンとこない。けどその曲は、25年間踏ん張ったけど値上げに踏み切らざるを得ない工場の人たちの気持ちを見事に代弁していて、思わずこう思ってしまった。

「うんうん、いいよ。分かったよ。みんな苦しいもんね。10円くらい仕方ないよ」ま、CMの思うツボですね(笑)。
「次、またきっと買うから、よろしくね」とも。思うツボ、ドハマリです(爆)。

子どもたちにおこづかいを渡すお父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんも、きっとそんな気持ちになったはず。だから10円値上げ後も、子どもたちはガリガリ君にかじりつけるわけです。メデタシ、メデタシ。

これから気温も上がって本格的な需要シーズンになることも考えると、まさにドンピシャの展開だったと言えます。っていうか、まさにそこを狙っていたとも思うけど。

たった10円の値上げに、いったいどれくらいお金と手間を突っ込んだのか。
低予算とはいえCM制作だけでも数百万円かかったでしょうし、在京民放でスポットCM流したり、関係各所への連絡や対応等も考えると、全体で億単位の費用がかかっているでしょう。

「損して元とれ」というけれど、今回の商品値上げにともなう広告キャンペーンは、まさにその好例だったんじゃないでしょうか。
値上げって消費者にとってはイヤなニュースだけど、今回のガリガリ君の一件では少なくとも僕の気持ちは商品やこの会社から離れなかったし、さらに「買おう」とさえ思わせてしまったのだから。

ホント、思うツボですわ(笑)。