リオ オリンピック、メダルラッシュはめでたいけれど、シンクロはちょっと気になった

リオ オリンピック、望外に面白かった。

水泳のいきなりの金・銅メダル、荻野選手と瀬戸選手の少年時代からの友情も素敵だった。
卓球、福原愛ちゃんの涙と笑顔、陸上・400mリレーの職人技バトンタッチ、そして柔道とレスリングの躍進、競歩の場外提訴の争い、あげたらキリがない。
愛ちゃん(ごめんなさい、「福原選手」と呼んじゃうとなんか違う気がして)なんて、僕を含め日本1億人のファンが小さい頃から見守り育ててきたような選手だものね。どうしても感情移入してしまう。

それと、レスリングや柔道の勝負強さにはビックリ。女子レスリングなんて、逆転金メダルがゾロゾロ。
昔々、1980年代にフィギュアスケートの渡部絵美選手が、マスコミの「メダル取れますよね」の取材大攻勢に負けて本番でミスしてメダルを逃して以来、日本人選手は「逆境に弱い」「プレッシャーに弱い」というイメージが染みついていた。けれど、そういうネガティブなイメージも、レスリングや柔道の逆転劇や3位決定戦での勝負強さを見ていて、かなり払拭できたのではないか。

でも、ひとつ気になってことがあって。それはシンクロナイズドスイミング。
2004年のアテネオリンピックまでは順調にメダル獲得していたけれど、2008年の北京オリンピックでデュエットで銅メダルを取って以来、メダルから遠ざかることに。

原因はメダル獲得に貢献してきたコーチ。そのトレーニングが「鬼」過ぎて選手から嫌われたのか、水泳協会と意見が食い違ったのか定かではないけれど、アテネを最後にその名コーチがこともあろうに中国チームに去ってしまった。

名コーチが中国に言ったのと入れ替えに、日本チームの成績はダダ下がり。ついに2012年のロンドンオリンピックではメダルゼロになってしまった。

そこで名コーチが呼び戻され、代名詞だった「鬼特訓」も復活することに。
そのおかげもあって、デュエット、チームともに銅メダルを獲得することができたわけ。

確かに、メダルを取れたのは良いことだ。めでたい。がんばった選手たちにおめでとうと言いたい。
だけれども、僕はちょっと引っかかってる。
名コーチの鬼特訓は、そりゃまー厳しいモノで。あれを学校の部活でやっていたら、きっと「ブラック部活」として摘発される内容。日本代表だったら許されるのか?

それに、フィジカル、メンタル両面から科学的なトレーニングが追求されて、それで陸上とかレスリングとか数々の種目で成果を残し始めているこの頃の流れで、シンクロのあの鬼特訓は逆行していないだろうか、という疑問もある。もちろん、科学的なトレーニングも取り入れているんだろうけど、あんなふうに一人一人の選手をキリキリ縛り上げるような練習も必要なんだろうか。
なんだか、コーチと一緒に昔に逆戻りしちゃってないか?

何はともあれ、選手の皆さん、お疲れさまでした。楽しい時間をありがとう。

 リオデジャネイロ五輪で史上最多の41個(金12、銀8、銅21)のメダルを獲得した日本選手団の本隊が24日帰国し、メダリストらが東京都内のホテルで記者会見した。主将でレスリング女子53キロ級銀メダルの吉田沙保里(33)は「最後まであきらめず全力を出し切って戦った結果がメダルの数になった。リオでの感動を2020年の東京で再現できるよう、一人一人が頑張っていくと思う」とあいさつした。

情報源: リオ五輪:選手団帰国 4年後も全力 – 毎日新聞

※画像も上記リンク先より